すっかり有名になった「闇バイト」というワード。

日本人は金が無い。これまで企業努力や社員の自己犠牲で成り立ってきた表面的裕福な暮らしは崩壊し、今では海外のアルバイトの方が遥かに儲かることは誰しもが知る事実だ。



そんな現代の若者である大阪府高槻市在住の八木貴寛容疑者(26)は今月11日、川崎市の時計店にバールを持って押し入った。



覆面のようなもので顔を隠していたわけだが、捕まってしまっては元も子もない。



取り押さえの際、一般人の男性店員(43)にケガを追わせた。強盗傷害事件だ。





諦念が滲み出るアッパレな表情だ。



そんな八木容疑者が凶行に及んだ理由はシンプルに「高額の報酬条件で、金が欲しかったので強盗の仕事に応募した」だ。


頭悪過ぎない?

闇バイトなんて介さず単独で行えば総取り出来るのに、なぜインセンティブしか貰えない方法で実行に移すのか。

リスクがある実行犯が貰いが少なく、指示役は実行犯が捕まったらトカゲの尻尾切りで姿をくらませば終わり。超ハイリスクローリターン。今回はノーリターンどころかマイナスだ。「慌てる乞食は貰いが少ない」の具体例とも言える。


八木容疑者がこの犯行を行うに決定的となったのは「事件前、指示役とみられる人物から『大丈夫だよ』と言われた」からだろう。

昔麻薬のバイヤーが売買の際に口にした「いつでも止められるよ」や「みんなやってるから安心だよ」といった常套句に近い感覚を持った。


大丈夫なわけねぇだろ。

小中高生が悪い大人に騙されて犯行に及ぶのとは訳が違う。26歳の善悪分別のある社会人がどうしてこうなる?


闇バイトは、犯行に至った生い立ちや現状といった人間的背景があまりなく、シンプルに「金が欲しい」だけの犯罪だ。

正直掘り下げも不可能なほど個人的な動機の薄い依頼型の犯罪に興味が持てない。

のっぴきならない事情が皆無な分、「何の同情も出来ない犯罪者」と脳が処理しようとしている。


日本の治安悪化が如実に進んでいる。

しかし今回取り押さえたのが一般人。

少し前の覆面強盗が「白昼堂々とした犯行は日常的に起こりうる」と日本全体へ周知してくれたため、迅速な現行犯逮捕に成功した。

まさに怪我の功名と言える。

凶器を持っていない限り、集団で掛かれば1人の制圧など容易だ。

海外では警察が逃亡車に体当たりしたり、どうしようもない場合銃でケガを負わせて捕まえたりすることがある。

もう少し犯罪者を粗末に扱ってもよい日本になれば、それが抑止へと繋がるのではないか。


そして逃亡した共犯者も捕まることを願う。