この事件を知った時、まず頭に浮かんだ文字列は「どういう状況!?」であった。

 

5月5日に並木正容疑者(52)は被害女性(60代)ともう一人の知人女性3名で酒を飲んでいた。

普段から素行に問題のある並木容疑者は次第に被害女性は口論を始めた。口では埒が明かないと判断した並木容疑者は暴力による語り合いへ移行。

身長180センチの長身から繰り出される踵落としが被害女性に炸裂し死に到った。



殴打による外傷性ショックは恐らく殺害方法の世界的に見てもトップ5には必ず入ると思うが、「踵落とし」という具体的な技名が出てきたことに世間はザワついた。


のちに元プロレスラーの前川久美子さんは踵落としの危険性について語っている。



曰く「トンカチで何度も頭を殴るのと同じこと。低い姿勢の相手にかけるとさらに衝撃が増し、あたったダメージで首が詰まる。壊れるのは当たり前。殺人行為」だそうだ。

この世の中でトンカチで頭に殴り掛かり「いや殺す気はなかったんだよ」なんてことを口にしても誰一人として信じる人間は居ないだろう。踵落としもそれと同義なのだ。

更に特筆すべき点として、深夜1時から4時までの3時間に渡り攻撃を加えていたこと。

殺人技である踵落としを3時間に渡り繰り出し続けてようやく被害女性が亡くなったのなら、並木容疑者の攻撃力に疑問を抱かざるを得ない。

「あれ、俺の必殺技を喰らってなんでこの女普通にしているんだ!?なんで悶絶しないんだ?」自身が強者であるプライドが壊れ、殺すまでやるしかないと後に引けなくなったのかもしれない。


話は変わるが、並木容疑者は泥棒や不法侵入はお手の物。普段からどこに出しても恥ずかしくない立派な犯罪者だった。わざわざ危険人物に関わる被害女性は一体何者なのか気になった。

文春オンラインによると旦那さんが亡くなって家賃が払えず一時期ホームレスすらしていた。公園で昼間から酒浸り。そして被害女性の知人女性が駅前の居酒屋で並木容疑者と意気投合し、3人が結び付いたという。知人女性は面倒を見る名目で通帳や生活保護のキャッシュカードを被害女性から預かり酒代に当てていた悪人だ。

正常な人間が一人も居ない異常事態であったことが分かる。

もしかしたら知人女性は被害女性が踵落としされている最中、笑いながらその様子を眺めていたのかもしれない。「あんた程々にしなさいよ」程度の言葉を掛けたかもしれないが、基本的に酒を飲みながら傍観していたのではないかと推測する。

まともな人間が居ない状況下になると、人の命も大した重みが無くなる好例なのだろう。

 

この事件、警察はもっと掘り下げるべきだ。