ヒカル
「授業だりー」
どこの高校でも同じようなことが言われているだろう。
しかし、この発言者は少女である。
ショートヘアだが、スカートをはいているから、少女に違いない。
しかし、この少女、態度は全く持って男のそれ同然。
「おーい、ショウ!なに見てんだ!」
この少女にショウと呼ばれた少年は、窓越しに外を眺めている。
「なんだ、ヒカルか。今日風強いだろ?パンチラが拝めるかなーって思ってな」
どうやらこの男まさりの少女はヒカルというらしい。
ヒカルは、その言葉に飛び上がって言った。
「マジかよー!!おい、俺にも見させろ!」
ヒカルはショウのパンチラという発言に対して怒るでも呆れるでもなく、
自分も見たいという気持ちをあらわにするのだった。
「お前、ほんとに女か?」
ショウは呆れて言う。
「あーら、女の子に見えない~?」
ヒカルはわざと女の子っぽいそぶりを見せる。
「・・・・・・・。」
ショウはそれを見て、顔を赤らめる。
ヒカルは普通に女の子っぽくしていたらそこそこかわいいのだ。
「おいおい、どーした?まんざらでもないカンジぃ?」
ヒカルはショウのリアクションに対して、煽りを入れる。
「そんなわけねーだろ!バーカ!」
男子高校生はいつだって素直ではないのである。
さて、このヒカルという少女。
男勝り過ぎて学校から特別な扱いを受けている。
それは、体育の時間。
「おーい、ヒカル着替えに行こうぜ!」
「おう、今行く。」
といった具合にヒカルは男子と共に更衣を行うのだ。
これはヒカルの意思ではなく、他の女子達の意見だ。
ヒカルと着替えるのが嫌だという意見を当初、いじめではないかと担任教師も思ったが、
ヒカルの行動の男っぽさからその意見に賛同したのだ。
これには男子達は最初は歓喜の声を上げていた。
しかし、ヒカルのことが好きなショウの存在によって男子たちのヒカルへの視線は妨害される。
男子全員を一分以内に着替えさせ、誰もいなくなった更衣室でヒカルを着替えさせる。
このときショウはドア付近で誰も更衣室に入らないか見張るのである。
「いつもすまないな」
ヒカルは本当に申し訳なさそうに言う。
態度こそ男の子っぽいが、本当は素直で良い子なのだ。
「アホ達にお前の着替えを見させたくないからな」
「なあショウ。」
「ん?」
「俺の裸ってさ・・・需要あんの?」
ヒカルのこの言葉にショウは噴出し、顔を赤らめる。
「・・・ま、まあ一応身体は女の子だし・・・見たいやつもいるんじゃない・・・か?」
「ふーん・・・。ショウはどうなんだ?」
「え!?俺・・?なんで俺になんだよ!!」
「別に深い意味はないさ。」