埋まる人間
朝、いつものように会社に向かおうとすると、うちの庭におっさんが生えていた。
一心にこちらを見つめるおっさん。
下半身が埋まっていて上半身だけが飛び出している。
悲しげな顔をしているもんで、ついつい声をかける。
「なんでこんなところに生えてるんですか?」
するとおっさんはこちらを一瞥し、ため息をついて答える。
「あんたもいずれわかるさ・・・」
絶対にわかることはないだろう。
と、思っていたんだが、今の俺は現にこのおっさんの隣で埋まっている。
世の中には二通りの人間がいる。
埋まっている人間と、そうじゃない人間だ。
埋まっている間俺は、人間としての尊厳を失う。
と同時に、埋まっていない人間に俺の存在は認識できない。
俺のことが見える連中はもうそろそろこちら側の人間になる、ということだ。