俺町中学 | 俺町物語

俺町中学


前回 のあらすじ


早乙女順子の取材をしていた黒井と山口の二人だったが、取材を受けていた早乙女が山口の師匠である自称

武士Kスケ(14)と校門でぶつかった。


さあ、どうなる。



゚・*:.。..。.:*・゚゚・*:.。..。.:*・゚



そのとき、運悪く学校のチャイムが鳴り、早乙女とKスケは遅刻になってしまった。



私どもは関係ないただの取材班なので帰ろうとしたんだが



「おーい!そこの四人!!ちょっと来なさい」



職員室の窓から身を乗り出して叫ぶジャージ姿の先生。



ん?四人?





・・・というわけで、我々取材班までもが職員室に呼ばれてしまった。



何年ぶりだろうな、とか思う。



「どうして遅刻したんだ」



ジャージ姿の先生が言う。これからジャージと呼ぼう。



「こいつにぶつかったからでござる」



ところどころ中ニ臭く、なおかつござるはやめられないのか、Kスケがそう言うと



早乙女の目はどこを見ているのかわからないが、自分の世界に入っていることは確かな表情で



「そう、二人の気持ちがぶつかったの。そうやって、ぶつかりあって、絆を深めていくものなのよ」



この二人だけは・・・



ジャージが我々取材班の方を向く。



「君たちは?」



いやいや、あんたがわざわざ呼んだんだよ?



見るからにオッサンだよね?俺ら。



「私どもはこういうものでございます」



思ったことを口に出さない私はさすがは大人である。



とか思いつつも、名刺を差し出した。



「俺町新聞・・って、あの?俺町物語の人かい?」



この反応・・・このジャージ、俺町の読者か・・・





結局、我々が職員室に呼び出されたのは、不審者かどうかということの確認だったらしい。



早乙女とKスケは早急に授業へ行くように促された。



だが、我々同様、どうしても違和感のある人物がいた。



「あ、先輩。あれ、古井さんですよ」



「ホントだ。うわぁ・・スーツ古っ!!」



「なにしてんでしょうね。まさか教師だったとか?」



とりあえず、声をかけることにした我々だったが―――



「だぁかぁらぁ・・・何度も言ってるでしょう。教員になるには資格がいるんですよ。」



古井は意外に怒られていた。



しかも、声の主は若い。そして、その顔に見覚えがあった。



「あれ?誰かと思えば大村さんじゃないですか!」



私、黒井は大村に声をかけた。



大村とは、私の妻を奪いかけた人物。つまり、不倫相手ってことだ。



「あ、あなたはっ」



大村は思い通り顔を真っ青にしてくれた。



まあ、不倫相手になってたなんて生徒に知れたら・・・



「あなた誰にそんなに怒ってるんですか?この人、僕の知人ですよ?あーあ、いいんですか?」



「いや、違うんだ・・・です。だって、この人が『教員になりたいから面接を受けさせてくれ』って言うんですもん」



古井ーーーっ!何やってんの。



教員免許とって出直して来いよ。



私と山口は顔を見合わせて、それは古井さんが悪いよっという顔をした。



「それでも・・・僕は教員になりたいんです。」



いつになく、真剣な古井さんだった。



よし、力になろう。



「おほん。彼は、こう見えても古いもの好きでしてね、日本史とか世界史とかやらせたら天下一品、どこの教員にも負けず劣らずといったカンジですよ」



我ながら、なかなかな推薦の仕方をしているように思えた。



しかしながら、大村には好印象に取ってもらえず・・・




「ここ中学ですよ?日本史・世界史だけじゃ、教員になれませんよ。地理・公民もないと。」



私はとっさに古井に目を向けた。



古井は首を振った。



その顔は地理・公民は苦手だったという顔だった。



「じゃ、じゃあ、ほら。古文・漢文なら・・・・」



「同様です。よく考えてください。中学の国語なんてほとんどが現代文じゃないですか」



我ながら、アホまるだしだった。



なんとなく、沈黙になった。



その沈黙に二人の男の羞恥の念がこめられていたことは言うまでもない。



「あ!」



そのとき、一人の男が手を叩いて閃いた。



そう、広報部山口である。



これは、つっこみの準備を・・・



「特別講師なんてのはどうですか?」



「なんでやねーん!」



職員室中が静まりかえった。



この人、ボケても無い人につっこんでるよとか急に関西弁になったぞとかひそひそ言っているのが聞こえる。



「は、ははっ。・・・で、特別講師が・・・どうしたって?」



「だから、最近の歴史を重んじない子供達に古い文化を教えてあげるんですよ」



「おいおい、こないだまでPSPをやりまくって充血していたやつがよく言えるな。」




「教えるのは、僕じゃなくて古井さんですから」



山口にしては名案だった。



なんとなく、「お前は一休さんか」とつっこみたかったが、一度滑っているからトラウマになっている。



「で、でも・・・そんな予定、今から組めるわけ・・・」



「なんとかしろ。さもなくば、うちのかみさん連れてくるぞ」



「先輩、それ脅しじゃ・・・」



なんだろ。



なんで、私は古井さんのためにこんなに向きになってんだろう。



そうか。



少しでも大村にダメージを与えたかったんだ。



黒っ