ヒーロー鈴木
僕は鈴木。
成績は上の中と公言しているけど、本当は上の上なんだ。
なんて謙虚なんだろう。
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鈴木は、高校三年。
そう、彼は受験を間近に控えているのだ。
成績も上の中なので、彼の志望している大学にいけそうな感じではあるのだが・・・
実は彼には裏の顔があったのだった。
彼はいつも、塾に行くと親に言いつつ、あることをしているのだ。
それは、正義のヒーローと化して、町を守ることである。
彼は、我々取材陣の前から姿を消し、次に現れたときには既にヒーローになっていた。
「自分で作ったんですか?」
我々、取材班は問うた。
ヒーロー鈴木は、窓の外を見つめながら答えた。
「ネットオークションで買ったのさ」
恥ずかしかったのか、彼が我々に背を向けた瞬間、驚くべきものを目にした。
「鈴木さん、それ・・・!」
そう、そこには「鈴木」という文字が入った名札が縫い付けられていたのだ。
鈴木の顔を青白くなった。
それはそうだろう。
本人としては、謎のヒーローとして活躍しているつもりだったのだろうが、実際は町中にその名を轟かせていたのだから。
というか、そうでなければ、我々取材班が一高校生のお宅を訪問するなんてことはないんだから。
「ちょ、かーちゃん。これ、勝手に縫い付けんなって言ったろー」
「友達のと一緒に置いてて、どっちかわかんなくなったか大変でしょ?」
「いーよ、友達持ってないからさ」
「でも、どこかに落としてきたときに、自分のだってわかるでしょ?」
「いーよ、服だから落とさないから!着っぱなしだから!」
我々取材班を部屋に残して、台所で話す彼の姿はまさしく、ヒーローのようだった。
あー、そうそう。
どうして、鈴木氏がヒーローになっていることがわかったかというと、取材班班長黒井の息子と鈴木氏は同級生で、黒井の息子がヒーロー鈴木と対戦した時に、正体を暴いたことがきっかけらしい。