俺町の日 | 俺町物語

俺町の日

6月に祝日をつくろう! ブログネタ:6月に祝日をつくろう! 参加中
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「6月って雨ばかりで嫌ですよね」


何をいきなり。


社内でコーヒーを飲んで一服しているところに後輩の山口が現れてそんな鬱な発言をするものだから
こちらまで気持ちが萎えてくる。



「そうは言ってもだな、6月には6月の良さがあるだろう。」



「例えば?」



「例えば・・・そりゃ・・ダムの貯水率が上がるとか・・てるてる坊主が各家庭で大量に生産されてティッシュメーカーが儲かるとか・・・」



「・・・なんか微妙じゃないですか。それに6月って祝日ないですし・・・」



ふと、カレンダーを見る。



確かに6月といえば、祝日がないな。


「じゃあ、祝日作るか。」



「へ?」



「いやー、うちの会社だけ、祝日を作ろうぜ。」



「先輩、そんなことできるんですか?」



「社長に提案してみたらどうだ?あの人遊び好きだからきっとうまくいく。」



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・・・というわけで、新しい祝日を作るべく、二人して頭を抱えていたんだが・・・



「6月9日。ロックの日なんてどうでしょう。」



「なんだよ。野外フェスでも観に行け!ってことか?」


「いやいや、ちゃんと鍵をかけましょうっていう防犯キャンペーンです。」



「そんなの一日だけ意識したところで変わらんだろう。」



こんなくだらない会話をしているうちにコーヒーが冷めてしまった。



慌てて飲み干すうちに山口が次の祝日を考案。


「では、6月31日。サラリーマンの日です。」


「どうしてだ?」



「ム・サ・イです。」


「お前、6月に31日はないだろう。」


「あ・・・やっちゃった」


やっちゃったじゃねーっつの。


「それにお前、ダジャレってどうなんだよ。」



「でも、祝日とか記念日ってダジャレじゃないですか。」


まあ、確かにそうだな。


11月22日 良い夫婦の日とか。
まあコレは祝日じゃないな。




「なあ、そんなことよりさ。」



「なんです?」




「今日はなんで俺とお前しかいないの?」



「え?今日って何日?ってか何曜日?」



あ、日曜じゃん。


「これ、明日休めるかな」


「いや、無理でしょう。ていうか、二人揃って同じ間違えしてるし。・・なんで気付かなかったんでしょう。」


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次の日。


「あー、雨だりいな。祝日欲しいな。」


「おはようございます。先輩。」


「よお!いやー昨日はお互いミスっちまったな。」


「へ?なんのことっすか?」


なんだよこいつ。

しらばっくれる気か?



「いや、お前昨日、日曜日なのに俺と二人で出勤してたじゃん。」


「え?いやいや。昨日は普通に家でのんびりしてましたけど?」



へ?・・・こいつは嘘がつけるような男じゃないのに。


じゃあ、昨日居た山口は?



「あれ?今日日曜じゃないですか!・・・やっちゃいましたね!」



「へ?・・・今日も日曜?」



確かにケータイを見ると曜日が日曜。

「そういえば、昨日土曜日だった!あちゃー!」



・・・何これ。



俺だけループしてない?





まさか、あまりの祝日の欲しさに日曜をループしてしまったとでも?



いや待て。それなのに出勤してるっておかしいだろ。



それになんで、なんで山口はループされてないんだ。



落ち着け。俺。落ち着け。


「おはようございまーす。」


この声は・・野中くん!?



昨日はいなかったはずなのに。



「あ!ノナちゃんも間違っちゃってるね!今日日曜だよ?」


「へ?・・・今日も日曜?だって昨日、間違えて日曜に来て・・・へ?」



なんだ?


「おはよう。みんな来てるな!」



「編集長!」



「ん?どうした?」



「今日は日曜ですよ?」



「へ?・・・今日も日曜?だって昨日、間違えて日曜に来て・・・へ?」



なんだなんだ?編集長まで?




「もう!みんなどうしたんすか!」
と山口。


いや、お前はお前で孤立してるだろ。



「フフフフ、フハハハハハハ!!!」


こ、この声は



「社長!」



「君達がまともな祝日を考えない限り、日曜日をループしちゃうよ!」


社長・・あんたは同じ日を何度もループする能力を持ってるのか!?


怖すぎるだろ。


あんたは神か?魔王かなんかの類か?



「黒井くん!」
と社長から急に呼ばれる。


「は、はい!」


「君の心の中は読めてる。ループが解けたら社長室に来なさい。私が直々にお灸をすえてあげよう。」



koeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!



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「ハァ・・・どうする?」



「どうするもなにも・・・適当なの考えないと・・」



「うーん・・じゃあ!『俺町の日』なんてどうでしょう!」
と、山口が提案。


たまには良いことを言うじゃないか。

「いいね!それ」
と編集長。


いつもより、評価基準が優しい気がする。


いつも俺が出す原稿には二つ返事で「ダメ」だからな。


「いや、でも何日にする?」



「うーん!あ、そうだ!」
と、野中くん。


何か思いついたようだ。


「6月12日。 これって6/12とも書きますよね?で、約分すると2分の1。人って誰しも一人だけじゃあどこか欠けてるっていうか、完璧じゃないじゃないですか?そういう意味で6月12日。どうですか?」



「いいね。・・・いや、いいけどそれだと他の月もそうなんじゃないか?」



「ですから、他の月の2分の1の日も俺町の日です。」



2分の1か・・。


なんだか、俺町らしいな。


・・・よし。


「いいな。2分の1。 俺町の日だ。」



「おいおい。編集長の俺を差し置いて決めるなよ!・・・ま、異論はないが。」



「僕も賛成です。」



「じゃ、決定だ!6月12日は俺町の日!」

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「おはようございまーす^^」


山口がやけににやけている。


先日まで鬱な感じで、雨を眺めていたのに。


「どうしたんだ。そんなにニヤけて。気持ち悪いぞ。」


「そんなの!ちゃーんと月曜がきたからに決まってるじゃないですか!」


ケータイを見る。


うん。確かに月曜日だ。


「先輩こそどうしたんですか?そんな顔して」



「どうしたもこうしたも・・・社長に呼び出されてるからに決まってるだろう。」


そして俺はため息をつく。


「がんばって、絞られてきてください。」



ま、こういうのもいい。


ちゃんと、元通り平穏な毎日が始まるんだから。


「いってくるよ。絞られに。」