自筆遺言証書には
震える祖母の字で
「前のゆいごんをむこうにする」というペライチのメモ書きとともに
氏名・日付・印鑑が付いてありました。
日付は令和3年12月
祖母の年齢は98歳です。
もう明らかに叔父が無理やりかかせてるじゃん、という印象を持ちましたが
母も兄も弟も同じ印象を受けたそうです。
で、前の遺言とは?なんですが
要介護者だった母親が税理士と相談したうえで
平成25年12月、当時90歳の祖母の意思を遺言化した公正証書遺言のことです。
祖父の遺産相続で揉めたことを母が税理士に相談したところ
公正証書を作っておいた方がいい、とアドバイスされたそうです。
祖父の相続で揉めた、に関しては
同居の嫁に介護の一切を任せ、介護費用は一円も出さず
金はくれ、という叔父と叔母。
でも、祖父の実子である叔父と叔母には祖父の相続人であり
祖父は遺言等も残しておらず
実子には権利もある。
そこで各々に現金で1000万づつ渡して手打ちとなったのです。
その場に私も同席していたんですが
祖母はずっと「叔父と叔母は金なんか受け取らないよ」と言っていたので
祖母の目の前でいそいそと現金を受け取る2人を前に
どんな気持ちだったか。
無関係な私は黙ってればよかったのに
余りにも祖母が気の毒で
その場で「お婆ちゃんは叔父さんも叔母さんも金なんか受け取らないって信じてましたよ」
みたいなこと言ってしまったのを覚えていて
おそらく「生意気だ」と思われたでしょうが
私は祖母を庇いたかった。
忙しい両親に替わって祖父母が親代わりだった私にとって
遠方に嫁ぎ年に一回金の無心に帰ってくるような叔父(婿養子)と
自分の意志を持たず叔父の言いなりの叔母に
個人的に不快感もあり。
その同じ年に公正証書遺言が作成され
その内容は細かい財産の相続方法と
長男と嫁、孫4人を養子にして相続人とし
次男と長女(叔父と叔母)には祖父の相続で充分な現金を渡してあり
相続はなし、という内容でした。
叔父と叔母は金なんか受け取らないよ、と言っていた祖母の気持ちと
公正証書の内容と
矛盾はないと思う。
でもまあ、叔父と叔母からすれば
母親が祖母に書かせたに違いない、実子のわたしたちが排除されてる公正証書なんて
ふざけるな、になるよね。
これが後の自筆遺言の作成に繋がります。