Overstayed
不法在留や不法残留(オーバーステイ)の事件について、思っていたことがあった。
俺は検事になったとしても、あの手の事件についてだけは、自信を持って起訴して、「厳罰に処すべきである」との論告をすることはできないだろうなあ、と。
工場とかで働いて月20万ちょっと稼いで、本国に残してきた家族にそのなかから17万とかいう8割近くの金額を送金しているのだ。 本国に戻れば大金だろう。 自分は家族のために切り詰めて切り詰めて、バラック小屋のような部屋に住み、毎日カップラーメンで空腹をごまかし、毎日毎日重労働に耐え生きている。 基本的には真面目な人が多い。 それに、日系4世とか、親戚を頼ってきている人が多いのだ。
これが犯罪なのか?
たいていは無免許運転とか軽い万引きとかが端緒になって見つかるから、それ自体は悪いことなんだが、日本にいること自体が犯罪なのか?
もちろん、マクロ的な視点から言えば「日本の雇用機会が減少し、失業者が増える」とか「外国人犯罪が急増する」とか、そう言うことになるのだろう。
だが、彼らが就いている仕事は日本人が嫌がって誰もやらねえ仕事ばかりで、しかも労働基準法を無視した500円そこそこの時給で労働力を搾取される。 雇用先の日本企業だって何となくオーバーステイだろうって気づきながら「まあ、強制送還されるまでは使ってやるか」くらいの使い捨て感覚で雇用していやがる。 政府だってその現状に気づいていないわけねえだろ。
俺ら国民だって、そういう外人が作った家に住み、そういう外人が整備した道路を通り、そういう外人が作ったコンドームでセックスをする。 自分らは暖かい室内でのほほんとしたバイトで時給1000円くらいもらっちゃうのだ。
それでいて、外人はひとたび不法就労が発覚したら「はい、そこまで」。
外人は、ホッカイロか?
外国人犯罪にしたって、一部の外国人の凶悪犯罪で外国人全員が犯罪者扱いをされるのも偏見に充ち満ちている。 それも、アングロサクソン系はなぜかそういう眼で見られない。 ビザの切れたアメリカ人だっているんだぞ?
日本人は殺人しようが強姦しようが日本から追い出されることはないのに。
公判では被告人質問になると、検察官は「強制送還されたらもう日本に来ることはないですね?」と何度も何度も聞く。
弁護人も情状をよくしようと「もう来ないね?」を連発する。
ある日のマテラッツィ系ちょい悪の被告人のにいちゃんは、「はい、もう来ません」と、とても寂しそうに答えていたが、最後、裁判官に「もう一度日本に来たいという気持ちはないですか?」と聞かれると、たまらず涙を流し「日本が好きです。いつか、家族を連れて、法律を守って日本に来たいです」と、答えた。
日本が好きだという外人、日本に来たいという外人、日本で働きたいという外人を追いださなきゃいけない国なんて、とてもじゃねえけど健全な国じゃねえ。
なにが「美しい国」だ、くそ。
26
26歳になってしまいました。
26っていったらもう20代後半なんだし、もうちょっとオトナになってるもんかと思ってたけど、16くらいとあんま変わってないような気もするなあ。
25歳はいつになく激動の一年だった。 感動したり、悩んだり、怒ったり、悲しんだり。
でも、やっぱり、とにかく、楽しかった。
こんな1年をこれからもずっと何十年も重ねていって、死にたいと思います。
夜勤
昨日に引き続き、ブラジル人がらみのエピソードを。
この間、とあるブラジル人被告人の事件を法廷傍聴していたときのこと。 被告人質問で、弁護人が彼の身上経歴についての質問をしていました。 彼はどうやらどこかの工場か何かで働いているらしいんですが、弁護人が「その日は夜勤だったんですか?」というような質問をしたんです。
そしたら、そのことをポルトガル語の通訳人が被告人に通訳するとき、「evcbum dugfbj sokh evjb anietino de wuc ヤキン?」と言った気がしたんです。
気のせいかな? と思いました。
だってそこだけ日本語なんておかしいじゃん?
でも、まさかと思いながらも被告人のポルトガル語での返答を注意深く聞いていました。「de sdihd jsjvhg vvboil dzbhvjblk wwdbulto aow sbvkvn ヤキン」。
・・・・・・・・。
!!!!!!!!。
やっぱり言ってるよー。。。。
きっと通訳人が「夜勤」の訳し方が分からなくてやむを得ずにそこだけ日本語で言ったのかなー?と思いました。
日本語で言ったらルー大柴の「togetherしようぜ」とか「wonderfulなnightだね」てのと同じノリかな、と。
裁判官室に戻って雑談してるときに、冗談でそのことを言ったんです。
そしたら、どうやらそうじゃないらしいんです。
ブラジルには、「夜勤」て言葉がないんだって!!
そう。ブラジルには夜働くという概念がないそうです。ブラジル人にとって、夜というのは飲んで踊る時間であって、働く時間ではないと。
でも、ちょっと待てよ。 いくらブラジルがサンバの国だからって、というか、ブラジルだからこそ、消防士とか警察官は、夜働くだろ!!
外国人犯罪
外国人犯罪の話をひとつ。
ここ数年、本邦で外国人犯罪が多発しているというのはニュースなどで知られているとおり。
特に増えているのが、中国人とブラジル人。
ですが、同じ外国人といっても、お国柄によって法廷でも様々な違いが見られるのだそうです。
例えば窃盗事件。 日本に入国してどっかで働いていたんだけど金に困ってそこらのお店で数万円相当の金品を窃取したというような場合。 前科前歴がなく他に悪情状がなければ、懲役1年・執行猶予3年てぐらいのもんでしょう。
裁判官によるこの内容の判決言渡しを、通訳人を通して聞いたとき、中国人は泣いて喜ぶらしいんです。 というのは、中国の法律では窃盗に死刑まで法定されているらしく、盗みは重罪なんだって。 だから、「窃盗やっちゃったのに、執行猶予がつくなんて!!!」と、狂喜乱舞するのでしょう。
全く正反対なのが、ブラジル人。 ブラジル人は被告人質問なんかでも、陽気に気持ちよさそうに自白をする。 ところが、判決を聞いたとたん、その場に泣き崩れて嗚咽するんだって。 ブラジルでは窃盗で身体刑なんてあり得ないらしい。 だから、「日本の刑法は、なんて厳しいんだ!!!」と、そこで初めて気づくらしいんですね。
まあこの話は極端化もしれないけど、国によって法律が違えば当然量刑も変わってくる。悲喜こもごもです。