「もっと楽な道があったんじゃない?」
小さな背中に、重たいリュックを背負って、
いつ音を上げるかと思っていたのに、
頂上まで登ってきましたね。
遮るものの何もない景色を前に、
疲れも、空腹も、汗をぬぐうことも忘れて、
自分の歩いてきた道のりを、愛し気にみつめています。
もっと緩やかな勾配のコースもあったかもしれない。
車やヘリでも、来れたかもしれない。
それなのに、険しい道にもへこたれず、
それどころか、道中で休んでいる人が居たら、
励まし、水や飴を分けながら、遂にここまで来ちゃいました。
人生、山あり谷あり、正負の法則、陰陽のバランス、
困難にぶつかるたびに、
きっと意味があると原因を探り、
乗り越えられる壁しか現れないと挑んできたけど、
「ちょっとコースがキツすぎない!?」と息切れしそうにもなったでしょう。
思い返せば、子供の頃からそうだった。
「〇〇ちゃん家はいいなぁ。」
「もしも、こんな家に生まれてたら」
なんのトラブルもない、ドラマのような家族を
思い描いたりした。
大人になっても、まだ私のシナリオは、
『まさかこの先、更なる試練が待ち受けてるとは、
このときはまだ知る由もなかったのです・・・』の連続。
起伏、あり過ぎ!!
でも、それにも、意味があるんでしょう?
私が、選んだんでしょう?
って、そんな正論、他人事じゃん。綺麗事じゃん。
遠くで傍観しながらなら、なんとでも言えるわ。
事件は現場で起きているんだ---!!
そんな風に、
息巻けるときは、まだ良い。
この地球上、至るところで日々発生する事件。
私の小さな世界の中でも、衝撃的なことは突然起こる。
どんなに困難でも、どんなに文句を言いながらでも、
力を尽くせるならば、まだシアワセなのだ。
無力さを味わうほど、辛いことはない。
何もしてあげられない。
何の役にも立てない。
私なんて、消えてしまえばいいのに、
私が、消えてしまえばよかったのに。
だけど、そうじゃなかったんだ。
トラブルに巻き込まれて奔走すること、
誰かの為に力を尽くすこと、
それが私の存在価値じゃ、ない。そんなの違う。
はなから、誰も私に、そんなこと望んでいないのだ。
「やりたいことを、やる。
やりたくないことは、やらない。」
一番シンプルな法則で、伸び伸びと人生を謳歌する姿を
みせてくれる人達が、すぐ側に、居たのだ。
ようやく、誰かではなく、
自分の素直な声に、耳を傾ける時間を持てた。
肌が、髪が、指が、私の体が、
何を求めているのか、じっくりと意識を向けた。
何を欲しているのかがわかるほど、研ぎ澄まされていった。
古い思い込みが、どんどん消えて、
新しい習慣が、新しい自分を生み出してゆく心地良さを知った。
さよなら、バイバイ、
これまでずっと、拠り所にしてきたモノ、コト、人。
これから、
私のスタイルは、私が創る。
私のシアワセは、私が決める。
私がずっと、知りたかったことを、
これからは、私が伝える。
険しい道も、楽な道も、
どのルートを選んでも、いいんだよ。
全ての道は、
最後には、愛しい我が家に通ず。
「いってらっしゃい。」「いってきます。」
「ただいま。」「おかえり。」
「ごめんください。」「いらっしゃいませ。」
迎える立場と、出掛ける立場も、
入れ替わり、立ち代わり、
出会いが交差する、我が家が待っている。
ー
ーLove letter from 彼方ー
ー
おはようございます。