長年応援してきた菅首相の政権がさまざまな人々から酷評されて、そしてこのほど菅氏が辞任を表明した。これに対して、あくまでメディアなどは菅氏を酷評し続けるようである。以下の文章は、或る新聞への投書として書いたが、どうせ掲載されるはずもないので、ここに載せておくことにする(必要な修正を部分的に施した)。それにしても、今のメディアはひどすぎる。無責任にもほどがあると言わなければならない。

 退陣表明した菅首相を「有言不実行の人」などとしてメディアは酷評するが、激しい違和感を覚える。菅政権が鳩山前政権の失政の尻拭いから始まり、ほとんど内閣改造ができなかったことをまず想起すべきだ。

 政権発足直後の参院選での敗北には菅氏の責任もあるが、そもそも税金を語ると選挙で負けるというこの国の政治状況こそが問題だ。ねじれ国会になった後では誰も何もできないことは、安倍・福田・麻生政権と同様だ(但し、それら政権と同様に菅政権が何もしなかった、と言いたいわけではなく、実際には菅政権はいろいろなことをやっている)。

 そして原発事故について言えば、菅首相でなければ大惨事が起きていた可能性が極めて高い(言うまでもなく、これまでに起こった大惨事と比較にならない規模の大惨事、という意味で言っている)。ベントを早期に実施し「撤退は100%ありえない」と言って東電を踏みとどまらせなければ、今ごろどうなっていたか。菅氏は有言不実行の人などではない。

 最後に問う。高説を垂れるメディア関係者・政治評論家の中に、今の政治の難局を切り抜けられる人間が一人でもいるか。実行力を批判するのなら、実行力のある人士を差し出せと言いたい。