サクのアニマルフリーク~元飼育係の動物園・水族館紀行~ -37ページ目

サクのアニマルフリーク~元飼育係の動物園・水族館紀行~

飼育係・アニマルトレーナーをしていたサクが、動物や自然についてをあれこれとお話するブログ。
全国250以上の動物関連施設を訪問したマニア目線からのレポートを中心に、施設の裏側、裏話などをご紹介します。
当ブログは全て、私が実際に体験した事や訪問した資料、写真を元に書いています。

岐阜大学応用生物科学部 楠田博士の

「排泄物を用いたホルモン測定による飼育下海獣類の

繁殖生理モニタリング」

という研究。

 

 

飼育下個体では血液を採取して体内の性ホルモン値を

測定する事で、数値の変動から排卵周期の把握や

妊娠診断等がわかる事が今までの研究でわかってきていました。

 

 

しかし、血液では採取をする為のトレーニングが必要な事と、

野生個体では測定が出来ないという問題点がありました。

また、採取するにあたり動物たちにかかるストレスという問題もありました。

(血液を採取するというトレーニングにおいては、ゾウや類人猿を除いては

ほとんどされていなかったというのが現状です。近年では、

キリンやジャイアントパンダなどでも実施はされていますが、それ以外の

動物では麻酔や保定をして採血をする必要があった為)

 

 

 

そこで、楠田博士は糞中で測定した値が血中の値とほぼ変わらないという事に

着目し、動物園の陸上動物を中心に糞から得た数値で繁殖生理を

把握するという研究を行っていました。

 

その中で、水中という本来は糞の採取が困難であった海獣類において、

採血や体温測定を行う為のトレーニングが行われている事に着目をして

以前飼育されていたシャチの「クー」において

シャチでは世界で初めて排泄物によるホルモン測定を行ったのです。

 

 

少し話はずれますが・・・

北米の動物園では

飼育下における繁殖個体の割合は哺乳類で90%以上、

鳥類で75%と言われています。

(動物園にいる動物たちが飼育下で繁殖した割合)

 

 

水族館に目を向けてみると、北米では

イルカは1980年代以降から、シャチは1990年代以降からは

保護個体以外は野生からの導入は行っておらず、

飼育下繁殖が計画的に行われています。

 

 

 

それに対して日本はというと・・・

繁殖を度外視しているとしか思えないような施設の設計と

運営体制に加え、

毎年多くのイルカ達を野生から導入をしているありさま。

 

 

シャチだけに注目をすれば、

アメリカでは1961年から飼育が始まり、1985年に飼育下繁殖、

2003年に人工授精に成功して継続的に繁殖が実施されているのに対し、

日本では1970年に飼育が始まり、繁殖の成功は1998年で

人工授精に至ってはいまだかつて成功すらしていないのが現状です。

 

 

 

今回のこの研究で多くのデータが蓄積されるようになれば

今後性周期や出産時期を把握する事が可能になる事で、

繁殖計画の作成や出産準備などに活かす事が

可能になってくるのです。

 

 

・・・続く。

 

 

 

岐阜大学応用生物化学部動物繁殖学研究室の

楠田哲士博士の講演

「シャチとベルーガの繁殖学 うんちと行動から性周期を探る」

を聞いてきました。

 

 

 

 

この講演は、名古屋港水族館開館25周年記念イベントの一つで、

2009年より岐阜大学との間で締結している学術交流協定に

おける研究成果の一部を一般向けに解説したもの。

名古屋港水族館海洋生物研究センターが主催しています。

 

 

シャチをはじめとした鯨類の研究成果というのはあまり外部に

情報が流れないのですが、

この研究成果自体は水族館の館内でも紹介はされています。

ただ内容が固いので、

残念ながら一般の方は深く読む事がほとんどありません・・・。

 

 

さて大学との共同研究という事ですが、私が動物飼育の仕事を

始めた頃はこのような試みはごく一部の大きな施設としか行われて

いませんでしたし、その内容が一般に公表されることなんてまずありませんでした。

動物園や水族館は、学術研究や教育の場と言われていたにも関わらずです。

 

飼育係が海外のフィールドに出て研究したり学ぶ事や海外施設と提携を

結ぶ事も、ごく一部の大型施設に限られていました。

 

情報社会の発達や時代の流れから横との繋がりが構築されるようにもなり、

現在では多くの動物施設が大学との間で共同研究を行うようになりましたが、

その多くは大学主導のもので、まだまだ世界からは様々な面で

遅れていると言わざるが得ないのが日本の動物園・水族館です。

 

 

公立施設では動物たちは市や県の所有物、つまり「物」と同じ扱いで、

施設の収益・集客や見る側を度外視した経営姿勢は何年経っても

払拭されていません・・・。

本来は公立施設が研究や情報発信において先陣を切る必要が

あるはずなのに、その逆を行っています。

 

 

その中でも楠田博士の今回の研究というのは、

世界的に見ても新しい研究ですので

今後様々なデータが蓄積されるようになれば

繁殖において非常に有意義なものになるはずです。

 

楠田博士は年間200頭以上、

現在までに100種以上の動物において様々な研究をしており、

主に動物園における動物繁殖学を専門としています。

 

 

 

名古屋港水族館はウミガメの繁殖と研究で世界的に有名な施設ですが

2008年には国内初のブタバナガメの繁殖に成功しており、

継続的に繁殖に成功しているのは世界的に見ても

この施設だけです。

 

その為このカメの繁殖におけるデータは世界的に見ても非常に少ない事から、

岐阜大学とは2010年よりブタバナガメの繁殖生理研究を行っています。

今までのウミガメの研究経験を活かして定期的に採血を行い、血中の

脂質やタンパ質や性ホルモン濃度の変化を調べており、

オスは繁殖期にテストステロン濃度が上昇して

いる事やメスは体内の卵胞発達に合わせて中性脂肪値が上昇する事

などがわかっています。

 

 

このような学術交流協定における研究は、現在では

岐阜大学応用生物科学部の他に

京都大学霊長類研究所及び京都大学野生動物研究センター、

神戸大学大学院農学研究所、

三重大学大学院生物資源学研究科

の5機関で行われいます。

 

 

今回の講演では、

「排泄物を用いたホルモン測定による飼育下海獣類の繁殖生理モニタリング」

という研究内容についてを、少しわかりやすく解説しました。

 

簡単に言えば、糞を採取して得たデータから繁殖に向けた性周期を

見極めるというものです。

 

以前飼育されていたシャチの「クー」において、

シャチにおいては世界で初めてそのような研究を行ったという非常に

凄い内容なのです。

もちろん世界初の試みなので、様々なデータが蓄積されるまでは詳細が

わからないのでまだまだこれからの研究とも言えます。

 

 

詳しいお話しはまた次回

 

 

・・・続く


 

最近、いつも仕入れているカラージェリーが入って来ないので今回は飼育がより簡単なミズクラゲを入荷。






本当は、もう少し小さめなサイズの方がこの水槽にはいいのですが。





昨日は水槽の設置作業の後に、最近よくお声のかかる空撮の仕事のお手伝いで隣街へ。


市が企画した「花のギネス世界記録」に挑戦という事で、花を植えたプランターを2987mを繋げるって内容なのですが、昨日は認定前の下準備イベント。
ちなみに現在の記録は、ウクライナの2847.9m。


当日だけでは出来ないので、昨日もプランターを並べる的な事をしていたのです。





なんか、市がやっているわりには非常に地味な印象でして…
昨日も特に騒がれる事もなくあっけなく終了。


プランターでやるとその後に残す事が出来ないので今後の観光や知名度upにも繋がらないだろうし、もう少し何とかならないのかと思ったりもして…。


最終的な完成と認定は18日にやるのですが、その日は私は所用があるのでお手伝いには行けません。