新規事業の行方(後編) | 七人の経営会議 サポートブログ

新規事業の行方(後編)


こんにちは!代表の小川 です。

先週のブログ「新規事業の行方」。

今週はその「後編」です。

一店舗ながら
地元に根づいた営業活動をつづけていたクリーニング屋さんが、
将来を案じて二店舗目を出店。

これがうまくいかない。

そこで、
「起死回生の新規事業」とばかりに、
肌着やタオルなどの「お洗濯代行業」に打って出るも
あえなく撃沈。

私は言いました。

「もう一度、やってみましょうよ。
こんどはもう少し緻密に」

・・・・・・・・と、ここまでが前編でした。

店主に向き合い、
3時間近くひたすら聞き役に徹していた私が、
最初に感じたことは、

針の穴ほどの誤差が、おおきな差を生む、ということ。

「あえなく撃沈した」理由は、
この誤差の中にある。

では、その誤差は、一体どこにあったのでしょう。

背広やYシャツ、ズボンにスカートであればともかく、
「肌着」となれば、
どうしてもプライベートを覗き見されるような
抵抗感がつきまといます。

店主としても、
その抵抗感については折り込み済のはずでした。

ですが、
サービスの提供者が想定していた以上に、
この抵抗感のハードルが高かったとしたら・・・・

代わりに洗濯してくれるのなら、そりゃ助かるけど、
肌着でしょ。やっぱり外に出すのはイヤ!

に落ち着いてしまう。

「そうではなくて、もともとのターゲットは、
仕事でいそがしい独身男性。もしくは
単身赴任者だったのです」

と、いうことであれば、こんどは、

「洗濯物を出しに行く暇がない」
「時間が合わない」
「平日は面倒くせぇ」

のハードルを越えなきゃならない。

そのハードルが、
売る側が想定していた以上に高かったら・・・・

そうなると
いくらお客さま毎に個別に洗濯してくれて、
個別に乾かしてくれて、
女性スタッフが
「おりたたみ」までをおこなってくれたとしても

それはまた別の話なのです。

「このビジネス、いけると思ったんだがな・・・・」

つぶやく店主に
気がついたら私は、
次のようなことをお伝えしていました。

「働き盛りのOLとか、独身男性とか、
単身赴任者とか、
切っても血が出ないような
類型的な属性でターゲットを切っても
意味がないように思いますね。止めましょう、そういうの」

だったらどうするか。

クリーニングの本店と支店の
それぞれ受付担当の方々に
質問してみて欲しい。そう、お願いしました。

「お洗濯代行を欲している人たちは誰なのか」と。

「できるだけ多くの回答を書いてもらってください。
私も考えます。
あなた自身も考えてみてください。
他のスタッフにもお願いしてみてください。
何度も何度も考えましょうよ」

・・・・その結果、
ポイントはどこにあったと思いますか?

お洗濯を頼むお客の「理由」にありました。

正確に言えば、
お洗濯を外部に頼むその正当性を、
こちらが、
さりげなく用意してあげる必要があったのです。

この新規ビジネスは、結果、
支店ではなく
地元になじみの深い本店で、
再チェレンジすることになりました。

鍵を握るのは
店先での「聞き込み」。「口コミ」。
そして「集配」。

あたらしいビジネスの萌芽は、
なんのことはない、
既存のお得意さまの中に眠っていたのです・・・・

アイデアやひらめきレベルで、
「あ、それいいね」
ですぐに動いたらうまくいったなどという話は
寡聞にして知らない。

どこまで執念をもって考え抜くことができるか。
この差が
何よりも大きな違いを生むのだ。

by 坂本桂一


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