東京都内某所。

突如として現れた。

テレビカメラと進行役らしき人物。

その周りを取り囲むようにして黒いスーツを着た男達。

「さぁ、突然ですが番組を中断して
 特別番組を生放送でお送りしたいと思います。」

突然の事で驚き通行人が足を止める。

テレビカメラにはABCの文字。
ABCテレビ局だ。

どうやらここで何かやるらしい。

「今日の放送は・・・題してッ!
 生きるか死ぬか、デットオアアライブでーす!」

単純なタイトル。

ゲストがいないところからこれから来るのか・・・・・
それとも・・・。

「ルールはいたって簡単。

 これからわたくし共が抽選によって挑戦者を選びます。

 そしてその方にはゲームに挑戦してもらいます。

 そしてそのゲームを成功したらなんとッ!
 
 賞金1000万円が獲得出来ます!」

大声で宣言する。

この声を聞いた通行人がざわめく。

俺もその中の一人。

しかしほとんどのヒトが、
一般人の俺らには関係ないとか思って通り過ぎていくだろう。

「そしてなんと!
 抽選で選ばれるのは今ここにいる一般人の方々です。」

高らかに宣言する。

それを聞いてまた通行の波が止まる。

「今駅周辺にいる人たちは全て把握済みです。
 
 もちろん遊びに来ている人たちもです。」

どうやって知らべたのか疑問もあったが今はそんな事どうでもいい。

俺が選ばれる事をただ願うのみだ。

「先程も説明したとおり、
 ゲームに成功すれば大金を手にすることができます。

 しかぁし!

 失敗した場合は・・・・・『死』です。」

この言葉によって、
さっきのものとは違う新たなざわめきの波紋が広がった。

な・・・なんだよそれ。

こいつらバカじゃねぇの?

最初は焦ったがよくよく考えてみれば本当に殺されるわけがない。

ここは日本だ。

警察だったいるはず。

通行人もそう思ったらしく、
徐々にざわめきが収まっていく。

やはり人間は欲が強い。

すでに通行に波は完全にストップしていた。


そこにあの声が聞こえてきた。

どうやらそこらじゅうに
スピーカーが設置してあるようで
どこにいても声が聞こえるようだ。

「では早速参りましょう。

 お名前を呼ばれた方は早急に広場へお越しください。

 最初の挑戦者は……東京都内にお住まいの―――」

全てのヒトが食い入るようにスピーカーに目を向ける。

名前が呼ばれる。

クソッ!
俺じゃねぇのか。
まぁいい。
さすがに一人で終わりというわけではないだろ。

こんなところにいてもつまらない。
広場へ行くか。

そこでは何かセットが組み立てられていた。

「おぉっと。

 いい忘れましたが、
 10分以内にお越しにならない場合は
 各所に配置したスナイパーによって狙撃いたします。」

なっ!!?

狙撃?

ビルの上とかからか?

まぁ、どうせ威力の低いペイント弾とかで
撃ってくるだけだろう。

1分ほどでセットは完成した。

液晶も何もないルームランナーのようなものを
囲むようにして板が敷いてある。

そしてその周りには・・・・・・銃。

見るからにはマシンガンのようだ。

そしてさらにその周りに
透明のガラスのようなものが
張り巡らされている。

おいおい、今度はマシンガンかよ。
とどこからか声が上がる。

数分がたった。

挑戦者は現れない。

「え~、ここで10分
 たってしまいましたが。

 どうしてしまったのでしょう。
 
 いまから10数えますから
 数え終わるまでに
 両手をお挙げください。

 それをスナイパーが
 確認した場合狙撃を中止します。

 そこですぐにこの広場ヘ向かって
 歩き出さない場合
 狙撃します。」

恐らく面倒だとか思ってこなかったのだろう。

1、2、3と数える。

8、9、10。

数え終わった。
その瞬間。

バァン!

銃声が鳴り響く。

悲鳴が上がった。

「残念ですねぇ。

 一番最初の挑戦者が
 いきなりリタイアとは・・・。」

な・・・なに考えてんだこいつら。

本当に撃ちやがった。

「まぁ、しょうがありません。

 次いきましょう。」

何だってんだ。

こんなもん。
やってらんねぇ!

俺は駅へ駆け出した。

通行人も走り出す。

駅のほうへヒトが津波のように押し寄せる。

後もう少し、少しで駅へつく距離になったとき、気が付いた。

駅の周りにはフェンスが張り巡らされていて、
その前には屈強そうな男達が並んでいる。

津波はフェンスにぶち当たり止る。

津波は止まったものの勢いは衰えていない。

周りからは罵声が飛び交い、
フェンスに手をかけ乗り越えようとするものもいる。

が、それらは片っ端から男達に引き摺り下ろされていく。

「次の挑戦者は・・・・・・
 東京都内にお住まいの―――」

そんな事をしている間に次の放送が入る。

・・・・・・そんな。
俺・・・!?

なんで、そんな馬鹿な。

こんなに大勢いるのに。

「では10分以内にこちらへお越しください。」

くそっ!

どうする。
いくしか・・・ないのか。

気が付くと広場へと
足を運んでいた。

「おぉっと。
 今回はお越しくださいました。」

カメラが俺をぬく。

「ではルールを説明します。

 今からあなたにはこのロードランナーで
 30分完走に挑んでいただきます。

 ロードランナーは時速20kmに設定してあります。」

時速20km!?

ってことは30分で10km!?

そんなの、
無理に決まってる。

それに俺。

一体何年走ってないと思ってんだ?

職業柄走る事なんてほとんど皆無に近い。

「そしてこの周りに敷いてある板ですが、
 センサーとなっていてルームランナーが
 スタートすると同時にスイッチが入ります。

 そしてこの板を踏んでしまったとき。

 この周りにあるマシンガンの引き金が引かれる様になっております。」

畜生、畜生。
畜生畜生畜生畜生。

こうなったらゼッタイに走りきってやる。

これでも一応小中高と野球をやっていた。

そのころの事を思い出せ。

アレだけ走らされたんだ。

いけるはずだ。

「ではさっそく挑戦していただきましょう。

 ウォーミングアップは無いですがこれもまたゲームの一環です。」

俺はガラスケースの中につれられていく。

ドアが閉じられた。

「それでは自分の好きなタイミングで
 ルームランナーにお乗りください。

 そこから3秒後に動き出します。」

一つ深呼吸。

意を決する。

乗った。

1,2,3。

ウィィィーーーーン。

機械の音がガラスケースの中に鳴り響く。

「さぁ、動き出しました!
 ここから30分間持ちこたえられるのか!
 デットオアアライブ!
 スタートです!」

最初は、
あせるな。

一定のスピードで走るだけだ。

レースをするわけではない。

最初は、ペースを作って。

呼吸を走りに合わせる。

2,3分もすると大分慣れてきた。

あのころの感覚も戻りつつあった。

徐々に周りを見る余裕もでてきた。

通行人の視線が突き刺さる。

なんなんだよ。

そんな眼で見るなよ。

お前らに俺の気持ちがわかるのか。

胸の奥に沸々と憎悪が湧き上がってくるのが感じ取れる。

落ち着け。

ここでペースを乱すな。

それをやったら後からきつくなる。

黙々と走る。



「ここで7分が経ちました。
 これで約半分。
 このペースのまま終わる事が出来るのか!」

この声は聞こえていた。

が正直そろそろヤバイ。

感覚が戻ったといってもほんの少しだ。

それでも何とかいけるだろうと思っていたがこれは誤算だ。

喉から血のような味がする。

口が渇いて唾液が粘り気を帯びる。

息がしづらい。

畜生。

水が・・・水が欲しい。

すると目の前でこの光景を見ていた通行人が
ペットボトルに入った液体を飲んでいた。

中身はわからないがそんな事はどうでもいい。

それを見た瞬間さらに欲求が強くなる。

ふと気が抜ける。

膝の力が抜ける。

緊張の糸が―――緩む。

マ・・・マズイ!

そう思ったときにはすでに手遅れ。

ルームランナーの動きにすでに足はついていっておらず、
それに伴い体が後ろに持って行かれる。

ガタン!

落ちた。

死を―――覚悟した。

・・・・・・・・ん?

死な・・・ない?

マシンガンが起動していない。

あっけにとられる。

すると突然。

まわりのガラスケースが外側に倒れる。

陽気なBGMが流れる。

「ドッキリ!
 大・成・功!」

へ?

ドッ・・・キリ?

状況が把握できない。

そこへドッキリ大成功のテロップを持った司会者とカメラマンが駆け寄ってくる。

「ということでドッキリでしたー!

 それにしてもここまで走れるとは思いませんでしたよ―――」

段々と状況を把握できてきた。

つまり俺は・・・死なない。

怒りよりも先に安堵の波が押し寄せてきた。

「ド・・・ドッキリ・・・。

 なんだぁ。」

気が抜けて仰向けに倒れる。

「なんと!
 今ここにいる全てのヒトが仕掛け人でした!」

荒い呼吸を繰り返す。

今はもう何もする気が起きない。




その後打たれたはずの男性が真っ赤になって現れたものだからさらに驚かされた。

それから1000万円の授与。

その他もろもろのプログラムを終えて体調もよくなってきた。

「そして最後に重大発表です。

 よぉく聞いてくださいね。」

俺はまたなにかもらえるのではないかと内心ワクワクしていた。

「な・ん・と!
 
 この1000万もらえるというのも、
 実は死なないというのも全て・・・・・・

 ドッキリでしたー!」

え?

何を言って―――

チャキ

司会者の手には銃。

「では。

 お元気で。」

一つにこやかに微笑む。

ガァン。




この作品はあからさまに山田ゆーすけに影響されています。
このときたしかちょうど読んだんですよね。
そのことを言わずに公開していたら『やまだゆうすけに似てるねぇ』とかいわれたので誰から見てもそうみたいです。
この作品では物語を何回か違う展開をする技術ができるようになったと思います。
まぁオチはベタですが。

NEXT!