11月は京都各所で文化財や秘仏の特別公開があります。この日はタイミングよく普段非公開の書院や飛雲閣を見学できました。西本願寺の境内自体は誰でも無料で入れますが、書院は拝観料が千円かかりました。飛雲閣は無料でそのまま敷地内に入れました。
伏見城の遺構を移築したという書院、豪華な造りがそのまま受け継がれていてこの空間にいるだけで心がほわっと沸き立つような気持ちになりました。内部は撮影が禁止だったのでここに載せている写真はネットからお借りしたものです。最初に目にした虎の間には竹藪に住む虎たちの姿。複製とのことでしたが、鮮やかな色でちょっとかわいい感じの虎たちがいろんなポーズをとっていました。お庭も素敵でした。
書院は門主の儀式や賓客の接待などに使われていたとのこと。秀吉が桃山文化を残してくれたおかげでワビサビだけでない華やかな装飾文化が残っているわけですね。こんな素晴らしいものが普段は非公開なのは残念に思いますが最善の条件の下で大切に保護していく必要があるのでしょうね。金色の襖が少しくすんだ感じになっているのも歴史を感じます。
見学しながらよく似た場所が滋賀県長浜市にあるのを思い出しました。長浜、大通寺の広間もこんな感じです。あそこも伏見城の遺構ですがあちらは通年見学できるし、写真も撮れるし、何より見学の人が殆どいませんでした。
広間から能舞台が見え、これが面白かったです。背景に立派な松の絵が描かれていますが廊下に出てみると光の具合で真っ黒な壁しか見えないのです。でも屋内に入って内部から見るとふわあっと松の絵が浮かび上がってくるんです。この仕掛け、すごいなあと何度も廊下と広間を行き来してしまいました。
次に飛雲閣。ここも素敵。細い柱が建物の繊細さを感じさせて非対称なところも珍しく、このアンバランスさに目が離せない感じ。何よりこの周囲の池、庭、地形・・ランドスケープが素晴らしく、全体が調和しているようでした。
金閣(鹿苑寺)、銀閣(慈照寺)と飛雲閣(本願寺)の三つが「京の三閣」というのだそうです。本当に絵になる景色です。写真撮りたかった。でも記憶に残して今後もまた機会あったら見にいきたいです。国宝になるだけの建造物はやっぱり素晴らしいなと思いました。
敷地内、少し高いところにある鐘楼。現在も早朝にここの鐘を突いているそうです。豪華な装飾。なかなかこんな豪華鐘楼を見たことがありません。ここも撮影ダメと言われてしまったので敷地を出て、少し遠くからズームして撮りました。
紅葉にはまだ早い京都でしたが、図らずもこの日はたくさんの国宝建築を目にすることができて眼福の日。
帰ってから思い出したのですが、この日、新選組ゆかりの太鼓楼を見るのを忘れていました。そしてこの銀杏の木が黄葉した姿をぜひ見てみたい。時間があれば月末に再訪したいです。
この後、四条烏丸まで歩きました。路地歩きもまた楽しく、ところどころ立ち止まって写真を撮りながら。もう少し続きます。








