今更ですが・・(;'∀')。随分前から巷でよく言われる願えば叶う「引き寄せ」。私はそれを心の中で強く願えば、そういうラッキーをたぐりよせるように引っ張れることかと思っていました。そんなことありうるの?という印象を持っていました。
今回、一通り読んでみて、また原題の「law of attraction」を知り、「引き寄せ」という日本語は妥当ではないということを理解しました。attaractionはテーマパークのそれとは別に「引力が引き合う」みたいな意味があったと思うのです。願う(波動を発する)ことで一方的に求めるものを引き寄せるというよりも、日本語のニュアンスでいえば「類は友を呼ぶ」(同じ波動のもの同士は共感して寄ってくる)みたいな感じではないかと思います。
本書にある「意識を向けたことが現実になる」ということも普段の生活の例で考えると、「意識したもの」って自然、頻繁に自分の視界に入ってくるような気がするのです。私の昔の友人が若かった頃、子供が欲しくて仕方なくて、私によく「この頃、赤ちゃんが増えたような気がする」「赤ちゃんがよく目につくの」ということを言っていたことがありました。当時の私自身は赤ちゃんが増えたとは全く感じてなかったので、意外でしたが、今思うと、常に頭の中に「子供」って思っていると、自動的にそういう情報をキャッチしてしまうのではないかと。お金のことばかり考えている人は自然、他人のお金のこと、自分の身なりが気になる人は他人のそれが気になってそこばかり注目してしまうのもそのせいかと思います。現実になる、とはそのことを想う気持ちが強ければ、強いほど、機会を引き寄せ、実現につらなる何かが自分の圏内に入ってくることなのかな、と思いました。
厄介なのはその「想い」が引き寄せるものが必ずしも願うものばかりではないということ。「この仕事を成功させたい」けれど、同時に「失敗したらどうしよう」という想いが強すぎると、逆にミスや失敗してしまう、これは自身の経験でもありすぎることでした。そこに意識を向けすぎることが、裏で不安を増幅させ、逆にマイナスの現実を引き寄せてしまうという。
類は友を呼ぶ。自分を尊重してくれる人と一緒にいると自分の思考もそれに刺激されて自分を尊重するようになり、欠点を見る人と一緒にいるとその欠点が「引き寄せの作用点」になってしまう、このくだりが印象的でした。
本書の内容で、自分でも応用したいなと思ったのはマイナスの感情を生み出すものには「意識を向けないようにする」ということでした。でもこれはやってみるとなかなか難しかったです。いろいろ考えることがあって、思考がマイナスのほうに向かっていってもそれを止めることができなくて、更に悪いことを考えてしまう。そうすると関係ないことまでネガティブに見えてきたりする悪循環があるように思います。人生経験でいったん悪いことが起こると次々に悪いことが起こるように感じるのはそういう思考の流れがあるからなのかと思いました。
今回意識して自分の思考を観察してみましたが、マイナスに傾き始めた思考をプラス方向に反転させるのってかなり難しいです。そういう時にできるのは「意識を逸らして違うことに注目する」ということでした。何か他のことを考える。わくわくする楽しいことに注目する。環境をさっと変えてみる。そういうことでネガティブな方向から思考を外すことができるように思います。自分がわくわくして、幸せで、楽観的な思考でいるときは意外と良い情報に気づけるし、人との軋轢もあまり強く感じないように思います。
自分の現在地は過去の自分の思考(それにともなう道の選択、決断の結果)であることを想うと、今の思考の積み重ねが未来の自分を整えているということになりますね。自身の思考、それに影響を与える一緒に過ごす人、普段から取り入れる情報の選択は大事だと思いました。