岡山の旅二日目。津山市を後に次に向かったのは備前市の旧閑谷学校。「現存する世界最古の庶民のための学校」です。講堂は国宝指定です。世界中の「世界遺産」を全部見て周るというのはもう無理だけど、全国の「国宝建築」を見るという目標だけは叶えたいと思っています。岡山県の国宝建造物は吉備津神社の本殿・拝殿と、旧閑谷学校の講堂の2つ。今回の旅でクリアできました。ニコニコ

 

 

この旧閑谷学校、かなり山奥にあり公共交通機関で訪れるには不便かと思いました。今回は自家用車での旅だったのでこの機会に行っておこう!と旅程に組み入れました。隣接する駐車場に車を停めて敷地内へ向かいました。

 

 

1670年に岡山藩主池田光政が地方のリーダーとなるべく人物を養成するための学校を創設しました。当時は士族の子弟向けの藩校は各地に作られていましたが、庶民に向けた学校は読み書きそろばんを教えてくれる寺子屋くらいしか思い浮かびません。庶民がちゃんと学問するための学校ってまだなかったのですね。

 

ぱっと見た感じ中国的要素がかなり濃い感じがしました。当時は学問といえば儒学(朱子学)。儒教は中国で発展した思想であることから建築にもその思想的な意味が込められているようです。

 

 

敷地周囲に張り巡らされた石塀です。この感じも中国の影響を受けている沖縄の建物ぽいと感じました。日本の石垣と違って石と石の隙間がなくぴったり詰まっています。そして上部は丸くかまぼこ型になっているところも特徴的。高度な技術だそうです。

 

 

 

 

国宝となっている講堂です。

 

 

創建時は茅葺きでしたが、改築時に備前瓦に葺き替えられました。ずっしりと存在感を放つ威厳に満ちた建物です。↓これ、余った瓦?

 

 

講堂に隣接する小さい部屋は藩主が訪れた際に使用する部屋でした。

 

 

内部は立ち入りできませんが、扉を開けて観ることができました。

 

 

磨き上げられた床は拭き漆。これは木材の腐敗を防ぐためなのだそうですが外から入る陽光が反射して、黒光りというのか、その静けさと相まってとても神聖な雰囲気でした。丸い柱が何本かあります。全部で10本あり、欅です。

 

 

 

 

 

講堂に繋がって習芸斎(しゅうげいさい)と飲室(いんしつ)という部屋がありました。教室や生徒たちの休憩の部屋として使われた場所です。

 

 

 

 

炉がありました。

 

 

 

 

この蔵は文庫。敷地内にある建物、ほとんどが重文指定です。こんな立派な状態で残っていることもすばらしいですね。

 

このこんもりとした丘。防火のための人工なんだとか。この奥、石塀に沿った道の先に資料館があるとのことでそこも見に行きました。旧閑谷学校は思っていた以上に見ごたえのある場所でした。ということで二回に分けます。