二日目は姫路近くにある「たつの市」を訪れました。古い街並みが残る小さな街は「播磨の小京都」と呼ばれています。JR本竜野駅へは姫路駅から20分ほど。駅に着くと龍野出身の三木露風が作詞した「赤とんぼ」のメロディーが流れていました。心に染みます。

 

龍野は見どころが割と狭い範囲に収まっているので半日もあれば徒歩で周れる感じでした。駅構内の案内所で観光用の地図をもらって出発。

 

まもなく見えてきたのがヒガシマル食品の社屋。醤油メーカーです。

 

このメーカー、たつの市にあったんだ。市内ではこの醤油メーカーの存在感をとても強く感じました。今回、最初に向かった醤油の資料館もヒガシマルのです。現代的な社屋だけでなく昔の建物も残り、それらが龍野の城下町の大事な構成要素になっている感じでした。

 

 

 

橋の上からみたヒガシマル工場。

 

有名な揖保川。市域の中央部を流れています。源は鳥取県。この川があるから醤油や素麺産業が発達したのですね。

 

のどかな雰囲気を感じます。橋を渡ると武家屋敷や白壁の土蔵が続く古い街並み地区に入ります。

 

 

レトロなタイルやさん。

 

 

地味な街かと思ってたけれど歩いてみるととても素敵な街並み。観光客ばかりの地域ではなくて、そこで暮らす地元の人の暮らしも感じられる雰囲気がありました。去年まで暮らしていた若狭小浜の古い街並みにもどこか似てます。

 

 

 

 

 

 

目的の資料館はこちらです。

 

醤油会社本社であったレンガ造りの建物は現在、国の登録有形文化財。

 

 

入館料は「10円」。これは利益や維持費のためでなくほんとに御縁のためですね。

 

 

この日はいろんなところを見学しましたが、無料の施設が多く、お金を遣ったのは食事やおみやげくらいでした。

 

館内では昭和初期まで蔵人が使っていたこうじむろ、桶、樽などの製造道具、資料などが展示されていて昔の醤油造りについて学ぶことができます。

 

 

淡口と濃口、醤油の原材料について考えたことがなかったですが、淡口醤油の特色は材料に米を使うことなんだそうです。

 

 

 

 

 

 

 

醤油の起源は古代まで遡りますが、龍野、野田、銚子、小豆島などで産業として成立したのは16世紀なのだそう。龍野は近隣に大坂、京都という大消費地があったこと、そしておそらく要求水準の高い消費者が多かったことで、商品は改良、洗練を重ねてきたのでしょう。世界的な和食ブームで海外からも醤油需要が増えてますね。大都市ではなくこのような山野の自然豊かな地に工場を構えて、海外需要にも応えているところなど理想的なメーカーの姿のように感じました。