週末に読みました。最初は就活に役立ちそうな内容かという印象でしたが、「話をする」という場面は誰にでもあり、「深い話ができる」ことは人とのコミュニケーションをはかる上でも大事なスキルかと思いました。「深い話」は相手の心を揺り動かすからです。
「話が浅い人、深い人」と思われる人の発言内容の特徴が書かれてます。SNSで出回っている情報をうのみにした発言や思い込みの強すぎる発言、思いつき、当たり前のこと、普遍的視点が感じられない発言は「浅」い印象を与え、「深」い話にはその反対の特徴があると。つまり展開力があること(情報力、知識力)、思考の形跡が感じられたり、掘り下げて本質的な部分にまで思考が至っていること、抽象論に終始しない具体化力などがあることなど。中庸が大事という視点はなるほど、と思いました。右すぎても左すぎてもそれは視点の偏りを表わすからです。
著者は「具体的かつ本質的」を芸術の域まで高めたのが俳句といいます。シンプルでありながら物事の本質を突いているからこそ相手の心を揺り動かすと。情景や思考をぎゅっとわずか17文字の中に凝縮する俳句の世界。そこには思考のエッセンスが凝縮されているということですね。
実際にこの俳句スキルを応用するには・・本書の最後のほうに書いてある、「深さに至る王道は書くこと」と「話を15秒でまとめるトレーニング」が参考になるのではと思いました。例えば読書なら一度文章にまとめることで本の内容が記憶に定着しやすくなり、整理できます。アウトプットの経験があると記憶の棚から話題を取り出しやすいです。この作業に更に字数や時間の制限を設けることで無駄が省かれ、本質的なメッセージを相手に伝えることができると。
私自身もブログで読書記録や映画の感想などを書くときに意識してやっています。このトレーニングは「記憶定着」という部分で特に効く感じがしてます。継続してもっと無駄のないエッセンスを伝えられる文章を書けるようになりたいと思いました。