13~14本目。

 

 

原題:My Salinger Year

監督:フィリップ・ファラルドー

キャスト:マーガレット・クアリー、シガニー・ウィーバー

 

「ライ麦畑でつかまえて」などで知られるアメリカの小説家J・D・サリンジャーを担当する女性エージェントと新人アシスタントを描いたジョアンナ・ラコフの自叙伝を、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」のマーガレット・クアリー、「エイリアン」シリーズの名優シガニー・ウィーバーの共演で映画化。90年代のニューヨーク。作家を夢見るジョアンナは、老舗出版エージェンシーでJ・D・サリンジャー担当の女性上司マーガレットの編集アシスタントとして働き始める。ジョアンナの業務は世界中から大量に届くサリンジャーへの熱烈なファンレターの対応処理。心揺さぶられる手紙を連日読む彼女は、簡素な定型文を返信することに気が進まなくなり、ふとした思いつきで個人的に手紙を返し始める。そんなある日、ジョアンナは、サリンジャー本人から一本の電話を受けるが……。(映画.com)

 

2022年アイルランド・カナダ合作。本人の自叙伝が原作なのだそう。しばらく前の「プラダを着た悪魔」みたいなキャスティングですがもっと落ち着いた雰囲気を感じる作品。20代の主人公が成長していく様子を感じるところがこの映画のメインなのか。まだ不安定であやういところ、心の揺れ動き、なんとなく自分の過去ともかぶるようなところがあったりで懐かしい気持ちで観ました。サリンジャーは晩年、田舎に引っ込んでしまい世俗と殆どかかわりない生活を送っていましたが、ファンから届く手紙さえ読むことがなかったというのは少し驚きました。

 

 

原題:Rebel in the Rye

監督:ダニー・ストロング

キャスト:ニコラス・ホルト、ケヴィン・スペイシー、ゾーイ・ドゥイッチ

 

1939年、作家を志しコロンビア大学の創作学科に編入した20歳のサリンジャーは、大学教授ウィット・バーネットのアドバイスで短編小説を書き始める。出版社への売り込みを断られ続ける中、ようやく掲載が決定するが、太平洋戦争のぼっ発によって、その掲載は見送られてしまう。召集により戦地に赴いたサリンジャーは戦争の最前線で地獄を経験し、終戦後もそのトラウマに悩まされながら、初長編「ライ麦畑でつかまえて」を完成させる。この作品の成功により、突如として名声を手に入れたサリンジャーだったが……。(映画.com)

 

2019年アメリカ映画。上の作品をみてからのサリンジャーの伝記作品。私がサリンジャーを知ったのは小学生の頃でした。ジョン・レノンを射殺した犯人が捕まった時にポケットに入れていたのがサリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」という小説だったと何かで読んだことがきっかけでした。もう少し大人になってからその小説を読みました。世の中のあらゆることにイラついている人物が主人公です。この映画をみて小説の主人公はまさに若い日のサリンジャー自身そのものだったということを強く感じました。サリンジャーは作品が売れて有名になってからは田舎に引っ込んでしまいます。偏屈そうな印象がありながら実際はとても繊細なひと。都会の虚飾に耐えられなかったのでしょう。彼のところに多くの女性が寄ってきたけれど一番彼を理解していたのはやっぱり母親でした。大学時代の恩師役がケヴィン・スペイシーで久しぶりに彼の姿をみれてなんか感慨深かったです。サリンジャーのことはフィッツジェラルドやヘミングウェイのようにアメリカ文学史という既に歴史の中の人物だと思っていたのに、2010年まで存命だったことが少し驚き。汗うさぎ