5~6本目。
原題:MIES VAILLA MENNEISYYTTA
監督:アキ・カウリスマキ
キャスト:マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン
夜行列車でヘルシンキにたどりついた男性は暴漢に襲われ、意識不明の重体に陥る。病院に担ぎ込まれ、一度は死亡宣告を受けるが、奇跡的に息を吹き返して病院から脱走する。男性は港湾地区で行き倒れとなっていたところを、ニーミネン一家に助けられ…。~Filmarks~
2002年フィンランド・ドイツ・フランス製作。年初からなんとなくはまってしまったカウリスマキ作品。この絶妙な間の取り方、人物たちの会話の仕方、雰囲気、「フィンランド版小津映画」と思ってみていると、とってもしっくりくるのが不思議。突然、日本の知らない演歌が流れ、主人公がぎこちない仕草で割りばしをもって和食を食べているシーンがあって、どういう意図でこれ入れたのかな?って思ったけれど。この作品はハッピーエンド。滅多に笑わない女優さんが今回も出てましたが、何度もみていると親近感がわいてきます。笑
原題:Celle que vous croyez/Who You Think I Am
監督:Safy Nebbou
キャスト:ジュリエット・ビノッシュ、ニコール・ガルシア
パリの高層マンションに暮らす50代の美しき大学教授クレール。ある日彼女は、年下の恋人にポイ捨てされたことをきっかけに、SNSの世界に足を踏み入れる。Facebookで24歳のクララに成りすまし、新しい恋を手に入れたクレールだったが、それは二転三転するジェットコースターの助走だった。誰にも止めらない、熱くて冷たい、危険なバーチャル恋愛の行く末は?~Filmarks~
2019年フランス映画。4年ほど前、京都の映画館にフランス映画を観に行ってその時の予告編でこの映画のことを知りました。ジュリエット・ビノッシュの出演作は「トリコロール」や「ポンヌフの恋人」の頃から多く観ており、大変好きな女優さんです。
大学教授という地位も名誉もある50代の女性がある日、SNSで24歳の美女になりすまし、はからずも相手の若い男性に本気になって・・。ここまでは予想できる展開だったけれどそれ以降、思わぬ展開で目が離せなくなって(←ここが面白い)あー、こわ!となる。
何が彼女の不幸の原因だったのかとずっと考えながら観ていました。主人公は年相応の美しさと知性、ステータス、全て備えているのに、自身が「若くないこと」が原因で男性から捨てられると思い込んでいるようでした。元夫は自分よりとても若い女性に走りました。元彼も別離のあとすぐに別の恋人を作っています。でも世の中には年老いても幸せに暮らす女性は多くいるのだからそれが原因ではないはず。最後のシーンをみた時になぜ彼女はどの相手とも関係が破綻してしまうのかがわかるように思いました。同じ女性ながらその行為にぞっとするものがあって。自分なりに解釈すれば彼女の不幸の原因は「若さの喪失」ではなくて「異常な執着心」ではないかと。しかし、この終わり方もフランス映画らしく解釈はいくらでもありそうです。成熟したイメージがあるフランスのインテリ女性が実は全然成熟してなかった、みたいなのはなんとなく人間くさい感じがしました。