1~2本目。年が改まって鑑賞本数もまた1からスタートです。久しぶりにアマプラの映画リストをチェックしていたらフィンランドのカウリスマキ監督の作品が無料視聴になっていました。

 

 

原題:Tulitikkutehtaan tytto (マッチ工場の少女)

監督:アキ・カウリスマキ

キャスト:カティ・オウティネン

 

フィンランドの田舎町。マッチ工場で働いて稼いだ僅かな金で母と義父を養う少女イリス。ある日彼女は、もらったばかりの給料で自分のドレスを買ってしまう。 怒った義父は彼女を殴り、母はドレスの返品を命じる。とうとう我慢できなくなった彼女は、家を飛び出してディスコへ向かい、そこで出会った男性と一夜をともにする。しかし彼女は彼にも裏切られ……。~映画.com~

 

1990年フィンランド映画。ずっと昔から気になっていた作品です。マッチ売りの少女ではないです。今回鑑賞したのはカウリスマキ監督の「労働者映画三部作」のうちのひとつ。なんともいえない人生行き詰まり感のあるストーリーでした。彼女の復讐のやり方が想像を超えていて・・。もうそこまでやったら人生やり直しがきかないよ、と。えーん この少女に何が足りなかったのだろうかと考えながらみていました。彼女はあまりにも短絡的で無知です。思春期の頃から思慮分別と愛情のある大人が身近にいなかったのかもしれません。環境や教育がどれだけ人生に影響するかということを考えてしまいました。

 

 

原題:Varjoja paratiisissa (パラダイスの夕暮れ)
監督:アキ・カウリスマキ

キャスト:マッティ・ペロンパー、カティ・オウティネン

 

仲間の死によって独立の道を断たれた、ゴミ収集車の運転手ニカンデル。スーパーのレジ係イロナに恋をした彼は、彼女をデートに誘ったものの、ビンゴ会場に連れて行ってしまい大失敗。ところが、仕事をクビになったイロナが彼のもとに転がり込んでくる。2人の関係はうまくいったかのように見えたが……。~映画.com~

 

1986年フィンランド映画。これも三部作のうちのひとつです。先の作品と同じ女優さんが主人公。彼女、殆ど笑わないのです。なので終盤にごく僅かに笑顔になる場面があったのですが、そこにとっても注目してしまいました。男性は不器用で自分の感情をうまく相手に伝えられない人物です。日本ではこういう性格は好意的にみられるけれど、実際に世の中をわたっていくには苦労すると思います。この女性もクビになったからといって腹いせに会社の金庫を盗んだり・・とやっぱり衝動的な行動が多すぎます(;´・ω・)。 ただニカンデルみたいな不器用ながらも優しい男性に出会えて彼女は幸せだったと思いました。決してキラキラした映画ではないけれど一本目にみた作品と違ってラストに希望と救いを感じました。

 

キラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラキラ

 

自分のブログ記録を確認するとカウリスマキ作品は初めて観るものでした。でも初めての割にはあちこちに既視感がありました。当初、ヴェンダーズ作品と似ているなあ、と思いながら観てました。観終わってから両者の名前で検索して調べてみたら二人とも小津安二郎監督を大変敬愛していたという共通点がありました。そうか!小津作品の影響を受けていたのか。あの独特の「間」の取り方、淡々としたストーリーの進み方はまさに小津映画そのものです。それにとっても納得してしまいました。カウリスマキ作品、無料視聴の間にもっとみておきたいです。爆  笑