13本目。

 

 

監督:北野武

キャスト:北野武、西島秀俊、加瀬亮、中村獅童、木村祐一、遠藤憲一 etc.

 

2023年日本映画。上映初日の昨日、観てきました。予告編だけみると黒沢映画ぽいけど、全然違いました。トラウマになりそうな恐ろしい場面が多かったので二度めを観ようという気にはなれないけど、感想としては「面白かった」。面白いというと語弊ありそう?

 

この映画から感じたのは、平和な時代や環境下ではいくらきれいなことを言ってても、生きるか死ぬかのような状況に置かれたら、忠義とか友情とか義理人情とかあっという間に捨ててしまって、自分の利益のために相手を出し抜いたり、裏切ったりする、というのが人間、ということ。誰もがみんな己の欲のために動く。人間が一番動物的本能に近い感覚でいたのがこういう戦乱の時代ではないかと思いました。そういうえぐい場面のところどころにブラックな笑いが差し込まれていて、シリアスな場面なのにぷっと笑ってしまいそうになる不真面目さがたけしさん的というか。

 

もうひとつ、映画を観ながら思ったのは、文書や何かで語り継がれ史実となっている歴史の場面ってあれは「芝居」だったんだなあということ。きれいな言葉の裏には人間のなんともいえない醜いえぐい感情がうねってるという二重性。きっといまの世の中も同じ。この作品は原作もたけしさんなのだけれど、おそらくたけしさんご自身、芸能界で長く生きてこられて平気で相手を裏切ったり、豹変する人間を嫌というほど見てこられたのではと想像してます。ここに描かれていることは決して歴史ではなく、いまも変わらぬ人間の本性なんでは、と。

 

印象的だったのか加瀬亮さんの信長のキレ具合でした。天才と狂人は紙一重っていうけれど次に何するかわからないところとか本当にこわかった!それから秀吉の中国攻めで清水宗治の扱い・・あれは真面目にみてたら腹立つひといるかも?って思いました。キョロキョロ やっぱり映画は映画館でみるのがいいです。次は「翔んで埼玉」を観に行きます。

 

映画『首』公式サイト (kadokawa.co.jp)