ふ12本目。

 

 

監督:山田洋二

キャスト:沢田研二、菅田将暉、永野芽郁、北川景子、寺島しのぶ、小林稔二、宮本信子、リリー・フランキー

 

ギャンブルと酒好きなゴウ(沢田研二)は、妻・淑子(宮本信子)や家族に見放されたダメ親父。そんな彼にも、たった一つだけ愛してやまないものがあった。それは【映画】――。行きつけの名画座の館主・テラシンとゴウは、かつて映画の撮影所で働く仲間だった。若き日のゴウ(菅田将暉)たちは、時代を代表する名監督やスター俳優に囲まれながら夢を追い求め、青春を駆け抜けていた。しかしゴウとテラシンがともに食堂の娘(永野芽郁)へ恋心を抱き、運命の歯車は狂い始める…。時代を越えて繰り広げられる、愛と友情の物語。若き日のゴウが信じ続けた“映画の神様”が、時を越えて奇跡をもたらす――。(ネット解説より)

 

2021年日本映画。松竹映画100周年を記念した作品です。当初、主役のゴウを志村けんさんが演じる予定でしたが沢田研二さんが代役に。久しぶりにみたジュリーのビジュアル総崩れ感に驚愕しました。昔の大スター時代を知っているだけに。友達のひとりによれば、「もはや公共の電波にのってはいけないレベル」と。滝汗 そのゴウの若かりし頃を菅田将暉くんが演じ、現代(令和)と昭和が交錯して物語が進んでいきます。最初のうちは年老いたゴウの姿があまりにもぼろぼろすぎて、世の中の空気があまりにも暗くて(コロナ禍初期という設定)重い重い雰囲気。かわるがわる菅田将暉シーンと映画が元気だった昭和の時代の回想が挟まれていたので最後まで観れたのかも。

 

山田洋二監督らしい、家族の価値を伝える温かい作品でした。ゴウの昔からの友達を小林稔二さん、長年連れ添った妻を宮本信子さん、娘を寺島しのぶさんなんですけどこの名優ぞろいなのがすごくよかったと思います。アル中でギャンブル好きで借金作ってばかりのダメダメ人間をその妻、娘、孫は呆れながらも見捨ててないのが切っても切れない家族のつながり・・みたいな感傷的なところ。献身的に最後まで寄り添う一途な妻(宮本信子さん)の姿が印象深い。それを思うと、この主人公、本当に幸せな人生だったのだと思います。

 

演出的にはテラシン(小林稔二)が経営してる映画館の中の場面が何度も名画「ニューシネマパラダイスと重なりました。映画スクリーンから人物が出てくるウッディ・アレンの「カイロの紫のバラ」とも演出がかぶっているようにも思いましたが。

(;・∀・) 

 

最後のエンドロール場面で、全てのキャスト紹介のあとに「さようなら、志村けんさん」というメッセージが流れ、ちょっと切ない気持ちになりました。急逝されたのは撮影のクランクイン直前だったそうです。

 

そういえば、もう遠い記憶だけれど、昔、志村けんとジュリーでコントやってたなあ、とかいろいろ思い出しました。そういう縁があったのかな。