6本目。

 

 

監督:是枝裕和

キャスト:安藤サクラ、永山瑛太、田中裕子、黒川想矢、柊木陽太、高畑充希、中村獅童

 

大きな湖のある郊外の町。息子を愛するシングルマザー、生徒思いの学校教師、そして無邪気な子供たち。それは、よくある子供同士のケンカに見えた。しかし、彼らの食い違う主張は次第に社会やメディアを巻き込み、大事になっていく。そしてある嵐の朝、子供たちは忽然と姿を消した――。~Filmarks~

 

2023年日本映画。今回は映画館で観てきました。カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞した話題作です。

 

この映画をみて痛切に感じたのは、人はいかに「一次情報」でフィルターをかけられ、「偏見」で物事や人を見て判断してしまうかということ。「あの人は〇〇だ」とかいわれたらもうそういう目で当該の人をみてしまうし、子供同士がケンカしている場に出くわしたとき、たまたま手をあげていたほうを悪と断じてしまったりする。その背後に何があるのか、あるいは「それって本当?」とか考えることをせず、いかに表面の事象だけをみてわかった気持ちになりがちか。

 

もうひとつ思ったのは「真実は何?」ということ。ストーリーを追っていて、この作品は昔々の黒澤明監督の「羅生門」に通じるところがあるように思いました。(これは芥川龍之介の「藪の中」という短編小説が元になってます。人によっていうことが違う、本当の本当のことは誰にもわからない、真実は藪の中、神のみぞ知るという)

 

また事前に観た人から「田中裕子の演技がすごくて完全に安藤サクラを食ってるよ」、と聞いていました。その通りだと思いました。無口な年配の校長先生役の田中裕子さん、ぼそっと喋る一言がみている側にグサッと刺さるんです。怖。

 

真実がどうとかよりも組織を守ろうとする関係者の動きもあるあるだと思ったし、現代の一面らしくこの作品はLGBTQのテーマも包含していました。

 

いろんな意味で今の時代の様相を掬い取っている作品だと思いました。フランスで評価されるだけある作品ですね。決して「タイタニック」みたいにわかりやすく、心揺さぶられる感動ではないけれど、後々ずっと脳裏に残り、いろいろ考えてしまう映画でした。物語を通してずっと流れている透明感のある美しい音楽は坂本龍一さんでした。

 

クローバークローバークローバークローバークローバークローバークローバー

 

今回、大津市のOh!Me!テラス内にあるユナイテッドシネマで鑑賞しました。やっぱり映画館で観るのっていいですね。映画料金は近く2000円に上がるけれどメンバーになったり、サービスデーなんかに観るようにしたらこれまで通りお値打ちで鑑賞できそうです。上映前に軽く昼食をとりました。建物内にあるカフェでフレンチトーストとアイスティーをいただきました。

 

 

メープルシロップをかけた図。左側は生クリーム。