元伊勢のことを知ったのは三重県にいた頃。伊勢神宮の神職をされている方から伊勢神宮の歴史をよく教えていただいていました。天照大神が現在の伊勢の地に鎮座するまで丹後地方の別の複数の場所にお祀りされていたことがあったと。一度参拝してくるといいよと言われてましたが、地図をみると京都府北部の山の中、当時の住まいからは遠いところでした。💦 宮津・天橋立近くにある籠神社も元伊勢神社といわれていてよく知られていますが、福知山の元伊勢神社には外宮、猿田彦神社も近くにあり、五十鈴川もあり、伊勢神宮のまさに「原型」という感じがします。山里の静かな場所で自然が濃厚で、アニミズムの概念というか原始の神道を身近に想像できる感じがします。

 

石段から周囲を眺めるとこんな風景。

 

 

 

駐車場が目の前にあります。平たい地にある現在の伊勢神宮と違って、軽い登山です。ちょうど雨上がり、空中の水蒸気と柔らかい陽射しで周囲は紗をかけたような神秘的な光景でした。

 

 

 

 

直前まで大雨だったのです。禊の雨だったのか。それなら嬉しいな。

 

 

 

石段の終わりのほうに現れる巨大な一本杉。参道の真ん中にあります。

 

 

 

聖徳太子の異母弟お手植えの杉なのだとか。

 

 

そのすぐ近く。古い切り株に挿し木したように若木が伸びている姿も。まだ古い切り株に守られているように見えました。

 

 

石段おわり。

 

素朴な感じの手水舎。花とか浮かべてないのもいい!

 

 

社殿や鳥居のかたち、周囲に生える大きな杉の木々など伊勢神宮の雰囲気がそのまま。

 

 

この鳥居は黒木の鳥居というそうです。樹木の皮をはがずに樹皮がついたままの状態で組み立ててあります。この黒木の鳥居がある神社は全国で二か所だけなのだとか。

 

 

摂社末社。

 

 

社殿の横にも大きな杉の木。

 

龍灯の杉という名です。節分の頃に龍が灯をともすという言い伝えがあるのだとか。案内によると高さ30m、樹齢は2000年にもなるとのこと。上の部分に割れた箇所もあり、横から支えが立てられていました。ここに天照大神が当初お祀りされた時、この木はきっと先の石段でみた細い若木くらいだったのか。それから2000年も生きているってすごい。これだけの大木が育つには空間と地の気の流れが良いからこそなのだと近くにいたグループのガイドさんんがそんな説明をされていました。

 

 

 

境内に巨樹はほかにも。

 

この鬱蒼とした深い森。神様が近くにいるような気さえします。古代の人間が神を感じたのもこんな雰囲気の中だったのだろうなと想像しました。

 

 

 

ここから500mほど歩いたところに天岩戸神社があります。そこまでは行かなかったのですが途中にある日室ヶ岳遙拝所まで行きました。

 

 

鬱蒼とした木々に覆われた道から空間がさっと開け、目の前に山の姿が現れました。

 

ここから見る限り植樹のあとはなく、原生林に覆われた昔のそのままの山。夏至の日はこの山の頂上に太陽が沈むのが見られるそうです。ここからあともう少し歩けば天岩戸神社です。でもあまりにも静かで、誰もいなくて、クマが出たら嫌だったのでここで引き返しました。💦 

 

再び若木の横を通って帰ります。この木が他の大木と同じくらい大きくなるころにどんな世界になっているのでしょう。