2本目。

 

 

監督:ドミニク・クック

キャスト:ベネディクト・カンバーバッチ、メラーブ・ニニッゼ

 

キューバ危機の舞台裏で繰り広げられた実話を基に、核戦争を回避するべく奔走する男たちの葛藤と決断をスリリングに描いたスパイサスペンス。1962年10月、アメリカとソ連の対立は頂点に達し、キューバ危機が勃発。英国人セールスマンのグレヴィル・ウィンは、スパイの経験など一切ないにも関わらず、CIAとMI6の依頼を受けてモスクワへと飛ぶ。そこで彼は、国に背いたGRU(ソ連軍参謀本部情報総局)の高官ペンコフスキーとの接触を重ね、機密情報を西側へと運び続けるが…。(映画.com)

 

2019年アメリカ・イギリス合作。先日読んだ落合信彦さんの対談本の中で引用されていたことで知り、アマプラで探したら無料視聴作品にありました。ニコニコ

 

1962年のキューバ危機当時、落合氏はアメリカの大学に留学中でした。アメリカ国内の空気は尋常ではなく明日にでもキューバから発せられた核ミサイルが自分たちが住むところに落とされるかも?な異常な緊張感に覆われていたそうです。

 

キューバ危機がなぜ回避できたのか?危機回避の裏にあった実話に基づいた作品です。フルシチョフの独裁を憂慮した人物がソ連側の高官にいて、西側に協力を申し出たこと、そして、当時のソ連から米英に機密情報を運んでいたのが職業スパイではなくて、全く政治には素人である一介の民間ビジネスマンだったことが驚き。そしてそれを設定したのがCIAとMI6だったと。

 

殺伐とした今の時代、最近は映画作品を選ぶときは「かもめ食堂」的なたいしたことが何も起こらない淡々と平和な作品を探してしまうことが多いです。なのに、こんな緊張感を強いられる作品を観始めてしまったなんて~(;´Д`) スパイであることが見つかったら殺されてしまうかもな状況下でソ連に出入りするウィンの緊張感といったら、もう、吐き気を催すほど。気弱な私は見続けるのを躊躇いましたが、こういう歴史があったこと、こうした経緯があって核戦争の危機が回避された過去があるわけで、やはりこれくらいは知っておかねばという思いで見続けました。

 

それにしてもソ連時代のロシア、本当に怖い。いまも多分体質的に変わってないだろうけれど、「誰もが誰もを監視している」社会の暗さがなんともいえない。何か変だとすぐにチクられる。(日本の田舎もちょっとそれあるけどなあ・・。)。そして恐ろしい拷問の場面。実際はもっとひどいことがあったのでしょう。西側に情報を流した高官ペンコフスキーの結末。二人の間には友情も芽生え始めていました。なのに。

 

ロシアのウクライナ侵攻から一年が経過しました。この侵攻が長引くほどにロシアの核兵器使用リスクがあがるともいわれています。このタイミングでこの映画を知れたことは何かとても示唆的な感じもしました。結論的には観て良かった作品でした。