強い日差しと青空があって、海があって、夏休みが始まる高揚感がある「明るい7月」と違って日本の8月って原爆投下や日航機墜落の記憶があって、お盆、終戦の日と、心底から生きることの喜び・・みたいなのを感じにくい時期かと昔から思ってました。
毎年8月になると15日頃にかけて戦争関連の番組がテレビでも放送されます。今年も時間が合うときは観るようにしていました。今年のNスぺでも太平洋戦争を振り返る特集が数日にかけて放送されました。
太平洋戦争・・・日本軍は1941年12月の真珠湾攻撃に始まり、次はアジアを占領します。当初は快進撃でした。国民の士気はあがり、いけいけどんどんの空気が満ちます。でも当初から開戦に反対していた山本五十六さんがいった通り、日本が連戦連勝を重ねたのはわずか半年。6月のミッドウエー海戦で形勢が逆転して、日本は空母4隻、航空機300機を失います。これってものすごい損失。しかし、メディアはその大敗北を日本で報じず、嘘の戦果を伝えていくようになります。軍部は「戦争を続ける大義のために国民を欺くことは仕方ない」という判断をします。
太平洋戦争を振り返るとき、いつも思うのは、この段階で日本側に「やめる勇気」があったなら・・ということです。「もし」あそこでやめてたら、ガダルカナルの激戦もインパールの無謀も、壮絶なサイパンや沖縄での戦いも、東京大空襲も、原爆投下もなかったのに。300万人も国民が死ぬこともなかったのに。
昨夜の放送はビルマのインパール戦後のくだりでしたが、「日本軍指揮者の根本的欠陥は道徳的勇気が欠如していたこと。自分たちが間違いを犯したことを認める勇気がないこと。」と、イギリスの軍司令官が残した言葉が紹介されていました。インパール作戦って亡くなった人の大半が飢餓死したという信じられない愚策だったんですよね。指導層の人たちのあらゆる選択の背景に感じるのは「人命の軽視」です。だから最後は若い人を使って特攻作戦やったりしたのかと。もう負けは確定してたのに。
戦争は人間から理性を奪い、現場では平常時には考えられないことが起こります。今朝の新聞にも書いてありましたが終戦前に生まれた人は全人口の14%程度しかいないのだそうです。戦争を知る人がこれから消えていく中で非戦のメッセージをどうやって伝えていくのかが大切なことかと思いました。