「濱の四季」で食事をした際にその横にある食文化館に寄り道してきました。館内には地域の伝統、食文化に関する展示があります。

 

 

 

ここ、入館料も無料です。3-4年前に見に来たことがあったのですが、それ以来です。何度も観にくるほどでもないし・・と思ってたのですが、久しぶりに来てみたら展示が随分変更されていました。

 

遠い昔、古代より若狭は伊勢志摩、淡路島と並んで御食国(みけつくに)と呼ばれ、この地の食材を朝廷に納めてきました。そうした歴史があるから「食文化館」なのですね。展示も「食」を中心に興味深いものがいろいろと。広い館内には小浜の町屋とか昔の人が作業する様子などが再現されていました。

 

小浜の町屋の再現。三丁町にこういう建物が並んでますね。

 

 

 

 

流し台。そういえば昨秋に旅行した飛騨高山の合掌造り家屋でも台所にはこのような石の流し台がありました。魚の処理もここで。

 

 

使用される石については、福井県の足羽山で採石される笏谷石が小浜で流通していたとのこと。この笏谷石の流し台、一昨年に見学した滋賀県の近江商人の家でも水場に設置されていました。この時代のブランド石だったのかな? 昭和30年代くらいまでこんなのだったそうです。それ以降はタイル使用が一般的に。

 

 

原色地蔵様。

 

さるぼぼ。

 

これは干物作りの様子?

 

世界各地のお弁当箱展示。左側がマレーシア、右側が中国。

 

 

トルコのお弁当箱。映画で見たインドのお弁当箱もこんな感じ。ご飯とおかずを別々に入れるんですね。

 

 

実用品というよりも美術工芸品のような美しいお弁当箱。

 

 

昔の弁当。花見だったり、舟遊びだったり、伊勢参りから帰ってきた人を迎える弁当だったりお重の弁当はちょっと非日常。

 

 

 

 

発酵食の元祖?滋賀・高島のなれずし。去年、長浜でちょっとだけ食べさせてもらったなれずしはチーズみたいでとても美味しかったけれど、やはり積極的に食べる気になれないなあ。

 

 

興味深かったのが日本各地のお雑煮マップ。

 

 

日本列島は複数の海流が流れていることで、風土が土地によって異なり、そこで育まれる食文化も独特のものになったのだそう。狭い国なのにちょっと移動するだけでお雑煮ひとつとってもこれほど変化するのは珍しいかもしれませんね。ヨーロッパも土地によって名物食というのがあったりしますが、日本ほどではないように思いますし、アメリカとかオーストラリアでは何百キロ移動しても同じハンバーガーやフレンチフライが売られてます。

 

各都道府県のお雑煮レプリカが面白かったです。これは福井市。丸餅に蕪、蕪の葉などを使う。

 

大阪。丸餅に白みそ。豆腐、大根、金時人参、里芋、水菜。

 

 

三重県・伊勢市のお雑煮。丸餅にすまし、里芋などを具に。

 

 

角餅すまし汁文化圏(江戸)、丸餅白みそ文化圏(京都)、丸餅すまし汁文化圏(折衷型)などがあるようです。おにぎりの形が三角形か俵型かというのと似てますね。分岐ラインが日本の真ん中(三重県)あたりにあるようです。確かに三重の食は西と東が入り混じっているところあります。

 

 

 

香川・高松のお雑煮。

 

たまたまなんですけど、何年か前にお正月に高松に旅行して、そこでいただいたお雑煮に入っているお餅が餡入りで、甘くて美味しかったです。見て懐かしくなりました。と思ったら、あずき汁文化圏なんていうのもあるのですね。鳥取、出雲地方はこれだそうです。やっぱり出雲って独特の文化圏なのかもしれないです。

 

 

鹿児島。なんかワイルド。

 

 

もうビジュアルに驚く。仙台のお雑煮。すまし汁に「はぜ」を載せる。

 

 

各地のお雑煮、見ているだけで楽しかったです。

 

以上です。