著者は世界を飛び回る「哲学界のロックスター」。彼へのインタビューを書き起こしたもの。哲学者の言葉はときに抽象的すぎて理解がついていけなくて、一通り読んだあとで時間を置いてまた読み返しました。世界の最新の知見のひとつに触れることができた一冊。「!」と思うところに付箋をつけながら読んでいたら付箋だらけに。

 

 

「考えること」って大事だと思いました。考えることとは考えをつかむこと。考えとは正しいかもしれないし、正しくないかもしれない物事を把握すること。それができることで自分の周囲の世界を的確に理解し、表面的な事象や情報に惑わされることなく物事の本質を見抜けるのではないかと感じました。

 

 

 

今でも江戸時代的な色街が存在していることを知ったのが最初の驚き。そしてこの本、女性である著者が12年間かけて体当たり取材の末にできた本。その熱意溢れる内容にまた驚きました。春を鬻ぐ女性と贖う男性。その是非を問う内容ではありません。読み終えて私が感じたのは、これは人間の業に深く絡んでいるもの、人類最古の職業でもあるといわれているし、今後もなくならないだろうということ。売春という行為について、男性の側に感じたのは「女性への甘え」と「優越感」、女性の側に感じたのは「貧困(経済的困窮)」と「無知」。また男性は女性を欲し、金で買って「消費」する一方で、同時にその女性を「蔑んで」いるように感じました。金でどうこうしようとする男性に嫌悪感を覚えてしまうのはこのためなのかと思いました。

 

 

勝間さんの合理的思考が料理にも応用された一冊。最小の投下資本(時間、お金、手間)で最大のリターン(栄養、美味しさ、短時間クッキング)を得る、というような。私たちは仕事ではITに頼り、大部分の家事についても最新の家電に頼っているのに料理だけは「手間をかけた手作り」にいそしもうとするアナログ思考のまま。そこも最新の家電を導入することでレストラン並みの食事を超時短でできるように、そしてより豊かな食生活をという内容でした。読みやすくて面白かったし、ためになりました。また野菜をもっとたくさん食べることが大事だなということも改めて感じました。