ユヴァル・ノア・ハラリの「サピエンス全史」にインスパイアされて書いたという日本史概説。先日の敦賀のジオラマではないけれど、ちょっと離れた高いところから、日本史全体を俯瞰して見渡すような感じの内容。わかりやすくて面白く書かれているのであっという間に読了しました。「サピエンス全史」では人類が地球の覇者になれたのは国家であったり、平等、人権、貨幣などの「虚構」を信じる力があったと書かれていました。著者もその視点から日本という国が成立したのも、そこに天皇だったり、神話だったり、歴史という物語・虚構があったからといってます。
本書の内容で印象的だったのは、私たちが当たり前だと思っている日本の伝統も長い歴史でみれば数十年、あるいは百年ちょっとのものだということ。キーワードは「時代は常に変化している」ということではないかと感じました。それを前提にすると「変化しないこと」のリスクを考えてしまいます。過去にしがみつくことは淘汰のリスクに晒されることでもあるのかと思いました。