近江商人住宅、外村繁邸の続きです。資料館のほうへ行きました。
梶井基次郎や中谷幸雄らとも友達だったのですね。
蔵に向かいます。階段のところで一枚。
日本の家屋のこういう陰翳がなんか好き。
蔵の部分。整理整頓のお手本のよう。
蔵から出て、また邸宅部分に戻りました。今度は二階へ。管理の方に階段を上がるときの壁部分を見ていってくださいねといわれました。(ここの方、見学の前に見どころをいろいろ教えてくださって、ありがたい限りでした。)
階段横の壁が「大津壁」という磨き仕上げの壁。
建築のことに無知な私は、言われなかったら、気づかず見落としていたかもしれないこの壁。「大津壁」とは土に石灰と繊維をまぜ、何層も塗り付けた後、鏝で何度も抑えて表面硬度を硬く仕上げるという日本の伝統的左官技術のこと。更に天然の土を用いて鏡面に仕上げるのが「大津磨き壁」といわれ、土壁の最上級の仕上げ工法なんだそうです。これができる職人さんはいまは殆どいないのだとか。
赤松が額縁に収まってみえるような眺め。
窓からの眺め。
庭全体を見下ろすとこんな感じ。周囲の住宅も立派なものが多いです。
窓側の廊下。
廊下もよく見るとこんな加工が。
次の見どころがこの部屋。
床の間に松の一枚板を使ってあります。
こんなのも、なかなかないのでは。貴重なものを見せてもらえました。
網代の天井。これも熟練職人の技。近江商人はこういうところにお金をかけるのだなあ・・と。
別のお座敷。
掛け軸の前に飾られている立派な香炉。青銅製?これも、相当な年代ものの予感。
1階におりて、最初みた居間を再度。昔の電話機。
真空管のラジオ。
蓄音機の横にあったレコードケース。エルメスとかこういうの作ってそうだ。
商家の象徴、小さな机とソロバンと帳簿!
そろそろ失礼することに。玄関にあった昔の靴箱。
その下部分にみつけたこれ。
掃いたゴミをかき集めておく場所。実物を初めて見ました。
こちらの邸宅は全体的に繊細な印象が残りました。実業家のお宅というよりは、文学者のお宅という色合いが濃く、知的なかおりが強い感じ。上質なものに多く触れることができ、訪れて良かったです!