11月24日。日吉大社、旧竹林寺をあとにして、10kmほど離れたところにある園城寺三井寺にいきました。

 

地図でいうと、ココにいます。

 

これまで自宅から大津に行く時と京都に行く時は違うルートを辿っていたのであまり考えることはなかったのですが、地図をみると京都と大津ってすごい近いのですね。そういえばJRで10分程度の距離です。京都駅からは大原や高峯に行くよりも、大津のほうが絶対に近い感じ。

 

 

ほぼ10年ぶりの拝観でした。ここのお寺、国宝や重要文化財がひしめいている印象があります。パンフレットをもらって改めて歩いてみると次々に文化財にいきあたる感じでした。上の写真は仁王門。1452年の建立。1602年に徳川家康により甲賀・常楽寺から移築・寄進。

 

京都の寺社は応仁の乱(1467年)でその殆どが焼き尽くされてしまっているので、歴史はあっても建物はだいたいが江戸期の再建です。それ以前の建造物を見ようと思ったら京都の外にいくべきかと最近思います。

 

 

 

国宝の金堂(総本堂)です。最近みたどこのお寺の本堂よりも大きくて、威厳がある感じがしました。慶長期の再建です。伝統的な天台系密教の様式を伝えたものだとのこと。←このへん、詳しく知らないのですが桃山建築の麗しい雰囲気が感じられて素敵でした。本堂内では特別拝観を見せていただきました。

 

 

 

鐘楼です。重文。近江八景・三井の晩鐘で有名なもの。音色がとても有名だということですが撞くのにお金がかかるのです。誰か撞いてくれないかなあと思ってましたが・・💦

 

その横にあったおみくじコーナー。

 

 

おみくじを一枚とって水に浸し、浮かび上がった番号を職員の方に伝えると相応のおみくじを渡してくださいます。

 

下はおみくじを浮かべる水面です。このひと手間があるとなんだかありがたみが増すのか面白いです。

 

 

 

これより一週間前に宮津にいった時にひいたおみくじでは「今が一番辛いとき」と出ましたが、ここでは「これから漸く良くなります」と出ました。意外と早くトンネルを抜け出られたのは熱心にお詣りしたからでしょうか?(笑)

 

 

本堂の横にある閼伽井屋。三井の霊泉といわれる場所です。泉が湧き出しているスポットがあり、そこを護るための履屋が建っています。これも1600年の建立とのこと。関ケ原合戦の年です。古い。

 

 

 

格子の間から中をのぞくとこんな感じ。

 

 

石で組んだ間からいまでも水が湧き出していて、ボコボコっ・・ボコボコ・・って結構大きな音が聞こえてくるんです。ちょっと遠くからでも聞こえるほどでびっくりします。天智、天武、持統の三天皇がここで沸いた水を産湯に用いたといわれています(なので三井という名に。)。天智天皇って大化の改新の時の人です。1000年以上も昔。そんな遠い昔から現在に至るまでこれほど強い勢いで水がわき出でているなんて感慨深いです。この境内一番のパワースポットではないでしょうか。

 

もうひとつ、パンフレットの説明を読んで知ったのですが、ここの建屋の上部に左甚五郎の龍の彫刻がありました。

 

 

先立つ一週間前にも宮津のお寺で左甚五郎作の龍を見ましたが、ここでも。なんだか縁があるのかと少し嬉しい気分に。成相寺の龍よりは一回り小さいけれど、立派な彫刻でした。

 

 

参拝順路を追って歩いていると次々とお宝が登場します。次に向かったのは霊鐘堂。この中に「弁慶の引き摺り鐘(重文)」といわれる奈良時代の梵鐘が展示されています。このくねくねの装飾、面白いです。

 

 

 

大きいです。平家物語に出てくる弁慶(この人はもともと比叡山の僧侶)が、山門との争いでこの鐘を奪って比叡山へ引き摺りあげた。さて、撞いてみると「イノー、イノー」と関西弁で「(三井寺へ)帰りたい」と響いたので、そんなに帰りたいのか、と怒った弁慶が谷底へこの鐘の投げ捨ててしまったという話が残っているそうです。鐘にいくつか残っている傷はその時についたものだとか。

 

 

いくら大男の弁慶だったとしても本当に引き摺れたの?というくらい立派な鐘でした。この鐘には寺の変事の前には汗をかいたり、撞いても鳴らなかったりと不思議な現象が起こったりするという言い伝えもあるそうです。また良いことの前触れには自然に鳴り出したりするのだとか。何かの霊力が宿っているのかもしれませんね。

 

 

ここの柱にも無数のお札が貼ってありました。パワーを分けてもらえますように、という人々の想いなのでしょう。

 

 

 

紅葉のピーク時だったらこの参拝ルートは紅葉のトンネルになっているらしいですが、やはりここも見ごろを過ぎていたので、紅葉はぽつぽつと残る程度でした。この木はきれいでした。ちょうど陽が差してきて、木の幹に葉っぱの影が映り、思わず写真を撮りました。

 

 

道沿いの石垣。境内全体に石垣が多く残っています。やっぱり当時は今のイメージの寺というよりは要塞みたいなところだったのかと。

 

 

一切経蔵。

 

室町初期の建築で重文。1602年に毛利元就により山口県・国清寺から移築・寄進。

 

唐院。三重塔はもともとは奈良・比蘇寺の塔。1601年に家康より寄進。こうやってみていると、建造物の多くが時の有力者によって別の場所から移築されていたりするものが多いですね。力のあるところに財が集まっていく構図だったのかと思います。

 

 

 

 

 

文化財の収蔵庫です。こちらも有料ですが拝観させてもらいました。狩野派の襖絵や美術品などがいくつか展示されていました。

 

この近くに茶房があったので寄ってみました。本当は三井寺名物の緑色のきなこがびっしりまぶしてある力餅を食べたかったのですが、そちらは露店です。屋内でゆっくりできるほうに行きました。

 

 

 

滋賀の朝宮茶とほうじちゃロール。特別拝観券の提示で900円でした。

 

おいしいお茶をいただいてほっとしました。ニコニコ

 

 

さてこれでパンフレットに記載されている建物は8割ほど周ったことになります。このあと観音堂に向かいました。三井寺の中ではここが一番素晴らしいと思いました。続きます。