48~49本目。

 

原題:Blanka

監督:長谷井宏紀

キャスト:サイデル・ガブデロ、ピーター・ミラリ、ジョマル・ビスヨ

 

マニラのスラムに暮らす孤児のブランカは、母親を金で買うことを思いつき、盲目のギター弾きピーターと旅に出る。ピーターから得意な歌でお金を稼ぐことを教わったブランカは、レストランで歌う仕事を得てお金を稼ぎ、計画は順調に進んでいるかに思えた。しかし、そんな彼女の身に思いもよらぬ危険が迫っていた。~映画.com~

 

2015年イタリア映画。当初はやはり1時間半くらいで気軽に観れる作品を・・と探してみつけたのですが、思わぬ素敵な作品!盲目のピーターが奏でるギターの音色が南国の街に響く様子、それに合わせて歌うブランカの歌声が情感たっぷりです。驚いたのはこの作品はフィリピンを舞台にしたイタリア映画で、監督が日本人だということ。そして出演者はそのスラムでスカウトした実在の素人だちだったということ。

 

主人公の二人(ブランカとピーター)は素人とは思えない演技で、めちゃめちゃ魅力的なんです。随分昔のイタリア映画にデシーカ監督の「自転車泥棒」という作品があり、それも素人キャスティングでしたが、これも映画史に残る名作になってます。まるでそれを思わせるような胸に沁みいる作品でした。大人がお金で好きなように子供を買う街で、それなら「お金でお母さんを買いたい」と切に願う孤児のブランカ。彼女や他のストリートチルドレンたちは窃盗でお金を稼いでいるのですが、肉親の愛情を求める彼らの純粋な気持ちがとても切ない。南国独特の開放的な雰囲気があるためか、日本の同条件で起こりうるような陰気さがあまりないことは救いです。しかし、それにしても小さい子供たちの置かれている環境の過酷なこと・・!

 

私自身、昔、フィリピン人の女性と3年くらい一緒にシェア生活していたことがありました。私の友人のほうはマニラの超絶セレブ家庭の出身者だったので、生活背景は全く違うのですが、タガログ語の響きや、根っから明るいフィリピンの人たちの感覚を懐かしく思いながら観ました。

 

 

原題:Bhaag Milkha Bhaag

監督:

キャスト:ファルハーン・アクタル

 

1960年ローマ・オリンピック。400メートル走のインド代表選手ミルカは、ゴール直前で後ろを振りかえるという前代未聞のミスを犯して4位となり、メダルを期待していた国民からバッシングを受ける。帰国後、ミルカはパキスタンで開催されるスポーツ大会のインド団長に指名されるが、断固として拒否したため、首相の命令で首相秘書とミルカのコーチが説得しに行くことに。ミルカが暮らす町へと向かう電車の中で、コーチは首相秘書にミルカがパキスタンへ行きたがらない理由を話しはじめる。~映画.com~

 

2013年インド映画。2時間半という長尺だけれども退屈せず一気に最後まで観れました。さすが世界一の映画製作数を誇るインド映画の実力なのか~ウインク これもとてもいい作品でした。特にこれという理由もなくランダムにその日の気分で観る映画を決めているのですが今年は「当たり」作品が多いです。この主人公も実在人物。1950年代後半から60年代前半に陸上界で世界的活躍をしたことを初めて知りました(そして今も存命)。東京にもきてる(なので東京での場面もあります)。日本人選手役で武井壮さんも出ているようですが、気が付きませんでした(笑)💦 幼少期にパキスタンとインド独立に絡む宗教対立に巻き込まれたトラウマがずっと彼を悩まし続けているんです。その彼の心の裡とは関係なく彼を国民的ヒーローとして政治利用しようとする政治家たちの思惑もみられて本人の気持ちになるとなんとも辛い場面もありました。そんなシリアスな逸話の中にお約束の歌って踊ってシーンも多数あるのに変な感じがしない。ラストのシーンは感動的です。これも観て良かったと思える作品でしたウインクビックリマーク