28~29本目。

 

 

原題:Memories of Murder

監督:ポン・ジュノ

キャスト:ソン・ガンホ、キム・サンギョン

 

あらすじ:1986年10月23日、農村で若い女性の変死体が発見される。地元の刑事パク(ソン・ガンホ)は地道な取り調べを始めるが、現場は大勢の見物人で荒らされ、なかなか証拠がつかめない。やがて、第ニの事件が起きてしまう。~Yahoo映画~

 

2003年韓国映画。いま話題の映画「パラサイト 半地下の家族」の監督による初期のヒット作品。韓国で80年代から90年代にかけて起こった猟奇的連続殺人事件をモチーフにしたサスペンスものです。今回、初めてのポン・ジュノ監督作品鑑賞でしたが「圧巻」でした。脚本も演出も秀逸。最初から最後まで全く目を逸らすことができないんです。どんどん追い詰められていく刑事の心理がじりじりと自分にものっかってきて、ものすごい息苦しさを覚えるような感じで。この事件は昨年末に犯人が30年以上ぶりに特定されたそうですが、長く未解決でした。映画公開時、監督は犯人は必ずこの映画を見るだろうと考え、ラストシーンを演出したそうです。真犯人と目を合わせるかのように、スクリーンの向こうからずっとこちらを凝視する刑事の顔のアップが映し出されます。ちょっと身震いしてしまいそうな終わり方。当時の韓国南部の田舎の描き方もとてもリアルで、豊かさとは縁遠い人々の暮らしが伝わってきます。社会的な弱者に対する視点をこの作品にも感じました。監督の名はアカデミー作品賞受賞の報道で知りましたが、ものすごいインパクトをなげてくる監督だと思いました。すごい映画人が韓国にいるのだなあと。この映画、見て時間を損したとは思わないはず!おーっ!

 

 

 

原題:MOTHER

監督:ポン・ジュノ

キャスト:キム・ヘジャ、ウォン・ビン、

 

あらすじ:早くに夫を亡くして以来、一人息子のトジュン(ウォンビン)と静かに暮らすヘジャ(キム・ヘジャ)。そんなある日、街で殺人事件が起こり、もの静かなトジュンが第一容疑者に。事件の解決を急ぐ警察がトジュンを犯人と決めつけ、無能な弁護人も頼りにならない中、ヘジャは真犯人を捜し出し、息子の無実を証明しようとする。~Yahoo映画~

 

2009年韓国映画。同じくポン・ジュノ監督作品。こちらも本当によくできた作品。母親役の女優さんの演技がすごいです。ストーリー的にもあらゆるところに伏線があって、あとになって、あれはこういうことだったのか!ってわかるような感じで。そしてまさかまさかの予期せぬ展開。こちらも中だるみとは全く無縁な2時間でした。そして観終わってからの余韻・・というのか、しばらく考え込んでしまう作品でした。母親の心理を自分も追体験してしまうんです。「殺人の追憶」もこの作品も決して明るいハッピーエンドものではないので、まあ、その日の夜の夢見の悪いこと・・!チーン しばらく暗いトーンの作品は避けたい・・・ほどのインパクトでした。

 

映画とは全く関係ない話ですが・・。以前から思っていたのですが、韓国語を聴いていると現在住んでいる福井県の言葉(福井弁?若狭弁?)とイントネーションがかぶります。本当にそっくりで驚きます。言語学的には朝鮮語と日本語って同じグループです。言語についての中国からの影響は漢字という表記方法。日常の話し言葉にも朝鮮半島の影響が残っているのだとしたらこれも興味深いことです。