19~20本目。
原題:The Search
監督:フレッド・ジンネマン
キャスト:モンゴメリー・クリフト、アリーン・マクマホン、ヤルミラ・ノボトナ、イワン・ヤンドル
ナチによって母と生き別れになった少年カレルが、アメリカ兵のラルフの手で拾われる。カレルは、その悲惨な境遇から自閉症になっていた。だが、ラルフの思いやりある態度は、次第にカレルを変えていった。戦争孤児がGIによって明るく生まれ変わるさまを描いたヒューマンドラマ。~Yahoo映画~
1948年アメリカ映画。原題のThe Searchは「母を探して・・」のニュアンスでしょうか。戦後間もない頃の戦争孤児たち、それも強制収容所から救出された子供たちの様子が描かれるのですが、彼らのその悲惨な経験によるPTSDというのがみていてずきっときました。常にびくついていて大人を怖がり、赤十字のマークを鍵十字と間違えて怯えるんです。ちゃんとした食事の仕方さえ忘れていて・・。そんな少年があるアメリカ兵と知り合い、少しづつ心を開いていき、だんだんと子供らしい様子を取り戻していきます。ある時、同年代の少年が母親に甘える姿を見て、自分の母は?という思いを強くします。母も同様にずっと生き別れた子供を探していて・・。戦後まもない時に撮影された作品で廃墟と化したベルリンの街は実写だそうです。セットであれだけのものはとても作れないでしょう。モノクロでもすごく迫力が伝わりました。またアメリカ兵のスティーブ・・・フレンドリーで他者に対してとても優しくて、勝者であるアメリカの余裕を体現しているかのようでした。
原題:Brokeback Mountain
監督:アン・リー
キャスト:ヒース・レジャー、ジェイク・ギレンホール、ミシェル・ウィリアムズ、アン・ハサウェイ
1960年代初頭のアメリカ・ワイオミング。カウボーイのイニスとジャックは2人だけの厳しいキャンプ生活の中で愛し合うようになり、結婚後も密かに愛を貫いていく。~映画.com~
2005年アメリカ映画。この作品の存在を知って10年以上。いい作品だと聞いていたのですがなかなか観る機会がないままでした。互いに二番目に好きな人と結婚して家庭を持ったけれどそこには心底からの充実や幸せはなく、一番好きな人との関係は当時の社会では差別され、到底、受け入れてもらえなかったものだったという。互いの家庭ではどちらも自分の居場所がみつからなくて孤独感を抱えている様子が感じられ、なんだか切ないのです。かといってゲイであることで殺されてしまった人もいるほど当時のワイオミングの社会は閉鎖的で自分の心の平安が得られない二人の息苦しさが伝わりました。そうした閉鎖的社会とは対照的なほどの青く澄み渡った空と真っ白な雲、美しい山々の姿が印象的で、二人にとっての幸福を象徴する絵として印象に残りました。この映像はテレビ画面ではなくて映画館のスクリーンで堪能したかったかも。主人公のひとり、ヒース・レジャーはこの作品から数年後に薬物中毒で亡くなっているそうです。