ずっと縁がなかった上野の国立西洋美術館にようやく入ることができました。開催中のハプスブルク展では15世紀マクシミリアン1世から始まり、最後の皇帝となったフランツ・ヨーゼフ1世の時代まで8人の王家の人々にちなむコレクションが展示されており絵画のほか甲冑や工芸品なども多くあり、大変見ごたえある内容でした。
600年にもわたる王家の繁栄は戦争による領土拡張よりも政略結婚によるもの。上の絵はベラスケスの傑作、マルガリータの肖像。10年以上前、現地の美術館でも鑑賞したことがありましたが日本で再び目にすることができて大変感慨深かったです。彼女はスペイン王室の王女として生まれ、赤ちゃんの時から将来はウィーンに嫁ぐことが決められていました。彼女の成長を先方に知らせるために数年おきにこうやって肖像画を製作し、将来の嫁ぎ先に贈っていました。描かれた王女のドレスはブルーのベルベットの質感がとてもリアルに美しく表現されていました。まだ幼い少女の表情はなんだか少し寂しそう。行儀よく画家の前に立ちながら、どんなことを考えていたのかしらと思いをはせてしまいます。
ハプスブルク家の政略結婚というと日本では彼女のほうが有名かも。「ベルばら」でとても有名になったマリー・アントワネットの肖像画です。嫁ぎ先での様子を母マリア・テレジアに伝えるために描かせたものだそうです。
このほかとりわけ興味を刺激されたのが甲冑の展示でした。(写真はネットからお借りしました)実物が数セット、ガラスケースの中に展示されていました。甲冑は身体のラインにそって作られ全体をすっぽり覆うものだったようです。腕や脚の周囲などは細かいパーツをたくさん組み合わせたかたちで人体の動きを可能にしてありました。ほんとにこれだと完全防御ですね。着用したら相当ヘビーだっただろうなと思います💦
神聖ローマ皇帝だったルドルフ2世のコレクション展示もありました。この人のコレクションについては一昨年、滋賀の美術館での展覧会をみているのですが、王家の中でも相当かわりものだったことが伺えました。最後の皇帝、フランツ・ヨーゼフ1世と皇妃エリザベトの肖像も印象深く。時間的にも量的にもちょうどよい感じでした。充実の時間で幸せ~🍀。企画展を鑑賞した後は常設展をみにいきました。続く~