縄文博物館と隣接して建つ年縞博物館。
昨年秋にオープンした時に知りました。
洗練された現代的なデザイン、どんなところなのかしらと思っていました。
「年縞」って何?」というレベルの私でしたが、わかりやすい展示と
館員さんの親切な案内で、いろいろ学べました。
レインボーラインから見た三方五湖。2年前の春の写真です。
時間が止まったような絵のような風景は
福井県で一番美しくて好きな眺めです。
年縞(ねんこう)というのはここの水月湖という湖の湖底堆積物を
ボーリングによって縦方向に掘り下げて取り出した縞模様のことだとか。
最初、これを見たとき、地層のような岩を切り取ったものなのかと思っていましたが
「泥」の堆積です。1年で0.7mm堆積する縞が45m。7万年分です!
泥の堆積は湖底に刺激が加わったりすれば壊れてしまいそうなものなのに、
数々の偶然の自然条件が重なった結果、過去7万年にも遡り、
これほど美しい状態での年縞が残ってきたようです。
世界でも非常に珍しいのだとか。
春先に湖底に積もるプランクトンの黒い層と
秋から冬にかけて積もる粘土や黄砂の白い層で形成される縞模様。
その形成過程は木の年輪のようです。
火山の噴火があったときなどに飛んできた灰の堆積も確認できました。
その火山灰、どこから飛んできたのかというと、
鹿児島の桜島や鳥取の大山だったりするようです。
その頃の年縞は模様が途切れ、白く厚い堆積になっているんです。
最近、ニュースで大山が噴火した場合の影響などが伝えられていましたが、
火山が噴火するとこんなに大量の火山灰が飛んでくるのかと驚きでした。
年縞の特定の時代に含まれる花粉の種類や量から
天候の様子やどんな植物が茂る場所だったのかなどまで、
当時の風景を再現して可視化できるんですね。
これ、最初に映像で見せていただきましたが、すごく興味深かったです。
この展示の反対側は7万年前から現在に至るまでの
環境の変化の様子などが展示されています。
それに合わせて世界史の年表も観れるのですが・・・
7万年のスパンで過去の話をした後は、
5000年前のエジプトのピラミッドとか
2000年前のヴェスビオ火山大噴火とか、
なんだか「最近」のような感覚になってきます。(^-^;
このスケールでみると、人間ひとりが生きる100年なんて
ほんの一瞬の煌めきみたいなものなのだなあと思いました。
最後のほうは閉館時刻まで時間が足りなくて急ぎ足での見学になりましたが、
全く無知だった素人なりにも、いろんなことがわかったような気がした日でした。
この博物館の館内に素敵なカフェがありました。
ガラス張りの窓から自然いっぱいの風景が見渡せます。
アイスラテとチーズケーキを。美味しかった~。(*^-^*)
軽食もありましたし、ランチサービスもされているようです。