127、128本目。

監督:豊田利晃
キャスト:小泉今日子、板尾創路、大楠道代、永作博美
“ダンチ”と呼ばれる東京郊外のニュータウン。そこに暮らす京橋家では、“家族の間で隠し事をつくらない”というのが一家のルール。だが内実は、それぞれ誰にも言えない秘密を抱えていた。娘のマナは学校をサボってショッピングセンターや見知らぬ男とラブホテルに行き、弟のコウも学校をサボりがち。また父の貴史は浮気に走り、妻の絵里子はベランダのガーデニングにいそしみながら、母との長年の因縁に悩んでいた。そんなある日、ひょんなことから貴史の愛人ミーナがコウの家庭教師として京橋家に現われたのをきっかけに、家族の歪みが少しずつ表面化してゆく…。〜All Cinema~
2005年日本映画。少し前から雪が積もり始め外は白い世界です。ぼた雪ではないのでそんなに積もらないかな~と思って(願って)いますがこれが3日間続くかと思うと・・・

直木賞作家角田光代さん原作の映画化。隠し事はしないというのが家族のルール。でも実はみんな秘密がある。それも性的なことに絡んだ秘密ばかりで・・・。あまり面白いとも思わない内容だったのですが・・・最後のほうでお母さん役のキョンキョン、電話口の相手に「死ねよ」って放つシーンがあるんです。ドスの効いた演技、他の同世代の女優さんでできそうな人が思い浮かばない。あのセリフのためにキョンキョン主役になったのかしらと思いました。(笑)
なんとなく感じたのは「人間というのは自分の今の境遇を正当化するために過去の記憶を都合よく書き換えているのかしら」ということ。昔いじめにあったから大人になった今も卑屈な考え方をしてしまう、とか、親にDV受けたから子供を愛せないとか。記憶のある部分が大人になった自分の中で肥大してしまっているというような。楽しかったことも愛されたこともあったかもしれないのに。

監督:吉田大八
キャスト:宮沢りえ、池松壮亮、大島優子、田辺誠一、小林聡美
1994年。エリート会社員の夫と2人暮らしの主婦、梅澤梨花。銀行の契約社員として外回りの仕事を任されるようになった彼女は、顧客の信頼も得て、上司からも高く評価される。しかし家庭では、夫との冷めた夫婦関係に空しさを抱き始めていた。そんなある日、外で顔見知りの大学生・平林光太から声を掛けられる。彼は、梨花の顧客・平林孝三の孫だった。これをきっかけに、若い光太との逢瀬を重ねるようになり、久々に気持ちが浮き立つ梨花。ある時、化粧品売り場で持ち合わせが足りないことに気づいた彼女は、客から預かった金に手を付けてしまう。すぐに戻すから大丈夫と自分に言い聞かせる梨花だったが、それが転落へと向かう暴走の始まりだった。〜All Cinema~
2014年日本映画。これも角田光代さん原作の映画化。同年に原田知世さん主演でテレビドラマ化もされているそうです。(知らなかった・・・
)年下の男性のために公金横領に走ってしまう主婦。こちらは最後まですごくひきつけられました。宮沢りえさんが一見なんとも儚げな主婦の役。美しくて、脆くて、虚ろで。些細なことから公金横領という悪事に手を染め戻れなくなる。最初はほんのわずかな贅沢や楽しみだったことにだんだん歯止めが効かなくなりエスカレートしていくという。主人公には何が足りなかったのでしょうか。エリートの夫と暮らして一見何不自由ない生活だけれど、それだけに自分の存在意義が見えなくなっていたのか。助けてあげたくなる年下の大学生と一緒にいる時だけ、自身の存在意義を感じ、満たされる感覚を味わえたのか。その不安定さも宮沢りえさんはすごくはまっているようでした。小林聡美さん、大島優子さんも職場にこんな人、絶対いそうと思わせるリアリティがありました。心の闇を描いた作品だと思います。こちらは面白かったです。
