99、100本目。

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監督:大友啓史
キャスト:大森南朋、玉山鉄二、栗山千明、高良健吾、遠藤憲一、松田龍平、中尾彬、柴田恭兵

徹底した合理主義で瀕死の日本企業を次々と買い叩き、“ハゲタカ”の異名をとった鷲津政彦も、今では絶望的な日本のマーケットに見切りをつけ、海外に生活の拠点を移していた。そんな鷲津のもとにある日、かつての盟友・芝野が訪ねてくる。彼が現在役員を務める日本の名門自動車メーカー“アカマ自動車”を、中国系巨大ファンドによる買収危機から救って欲しいと頼みに来たのだった。その買収の急先鋒となっているファンド、ブルー・ウォール・パートナーズを率いるのは、残留日本人孤児三世の劉一華(リュウ・イーファ)。彼は、鷲津が勤務していた米ホライズン社の元同僚で、自らを“赤いハゲタカ”と名乗っている。こうして、巨額の資金を背景に圧倒してくる劉との因縁めいた買収戦争に挑む鷲津だが…。〜All Cinema~

2009年日本映画。そういえば昔、同名のドラマがあったな~と観てみました。2000年以降のリーマン・ブラザーズの破綻、日産自動車の買収など現実にあったことを連想してしまう設定でした。日本でこういうドラマが作られると「情緒」を中心にした内容になるように思います。現実はもっとドライな感じがします。


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監督:大島渚
キャスト:渡辺文雄、小山明子、阿部哲夫、木下剛史

戦争で傷を負ったことを口実に定職につかない男と彼の先妻の息子(少年)。男の同棲相手と彼女との間に生まれた子(チビ)。家族の絆が希薄な一家は当たり屋で生計を立てている。一箇所で仕事を続けると足がつくという理由で、一家は次々と場所を変えて旅をする。少年は車の前に飛び出す恐怖と両親への抵抗から何度も逃げ出そうと試みるが、結局は逃げた後に味わう孤独に打ちのめされて家族の元に帰るしかなかった。そして、一家は反目しあいながら、とうとうその先には海しかない北海道の最北端まで辿り着くのだが…。 ~Wikipedia〜

1969年日本映画。実際にあった子供を使った当たり屋事件をもとにして制作されたのだそう。50年前の万引き家族とでもいうべきか・・滝汗 大島監督がひとめみて気に入り、主役に抜擢したという男の子は養護施設で暮らす孤児だったそうです。とても素人とは思えない存在感とその空気感。無言の表情から発するものがすごくて。彼が「少年」を演じたからこその映画だと思いました。撮影後、彼を養子にという申し出もあったそうですが、彼はそれを断り、再び施設に戻り、映画界に戻ることはなかったそうです。あの映画の少年とそれを演じた男の子の人生をつい重ねてしまい、その後彼はどうなったのかしら、と思ってしまいました。

時代設定もいまみるとレトロ感たっぷりなのですが、戦後まだ20年くらいしか経ってない頃(1966年という設定)で、人の心がまだとても粗野で暴力的なのです。経済発展を遂げる日本の影の暗い部分がたくさん目につき、胸につまる哀しさを感じました。政治的メッセージ性が強いといわれる大島渚監督の作品の中で比較的その要素は薄いといわれる作品です。でも映画の中に日本の国旗のイメージと思われる白と赤の対比が出てきます。雪だるまに赤色の長靴を載せ、それを怒りながら壊す少年の姿にこれも何等かの意図を込めたものかと思いました。