48~49本目

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原題:THE MOTORCYCLE DIARIES/DIARIOS DE MOTOCICLETA
監督:ウォルター・サレス
キャスト:ガエル・ガルシア・ベルナム、ロドリゴ・デ・ラ・セルナ

のちに革命家としてその名を世界に轟かせることになるチェ・ゲバラが学生時代に行なった南米大陸縦断の旅を、彼が残した日記を基に映画化した青春ロード・ムービー。情熱的で正義心に溢れた青年が、親友と共に大自然を疾走し、様々な人々との出会いを通して人間的な成長を遂げる姿を活き活きと詩情豊かに綴る。~AllCinema~

2004年イギリス/アメリカ映画。10年ほど前に28歳、39歳の時のチェ・ゲバラの革命についての映画を観た際、この作品があることを知りました。先日、Amazonプライムで偶然見つけて視聴爆  笑グッ

前作が政治活動に打ち込むゲバラの姿を描いているのに対して、こちらは彼が政治に目覚めるきっかけとなった医大生時代のことを描いた作品です。アルゼンチンの裕福な家庭に生まれたエルンスト(ゲバラ)。23歳の時に友人と二人でバイクで南米縦断の旅に出ます。そこで出会う社会的弱者らの姿に接するうちに考えが変わっていきます。エルンストはとても優しい人だったのだと思います。悲惨な労働環境に置かれたインディオらや隔離されたハンセン病患者らを自分の人生には関係ない他人と見過ごすことができなかったのですね。彼の人生の大きな転機になる旅でした。彼はのちにカストロ氏と知り合いキューバ革命を成功に導きます。39歳の時にボリビアで射殺されその人生を終えることになります。

映画の中で彼と一緒に旅をしたアルベルト・グラナード氏はお調子モノのちゃらい男性として描かれていますが、後年、ゲバラからキューバに招かれ、その翌年、キューバに移住します。ゲバラに人生を捧げるとし、キューバで医学学校の設立に参加し、自身もハバナ大学医学部の教授となり、2011年に亡くなられたそうです。(この映画制作時はご存命で最後にちょっと出てきます。)キューバって貧しい国ですがカリブ諸国の中ではとても医療が充実していて、診療は無料なんです。

ゲバラについては確か生前、来日もしていたと思います。広島を訪問し、「米国にあんな目に遭わされながらも日本人はまだいいなりになるのか」と語ったと言われています。ゲバラの優しい心と高い理想、心が洗われました。とてもいい映画でした。人にもお薦めしたいです。



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監督:小泉堯史
キャスト:寺尾聡、深津絵里、吉岡秀隆、浅丘ルリ子

家政婦をするシングルマザーの杏子が新たに派遣された先は、交通事故に遭って以来80分しか記憶が持たなくなってしまったという天才数学博士のもと。杏子は最初に博士の義姉から説明を受け、博士が住む離れの問題を母屋に持ち込まないようクギを差される。そして当の博士は記憶を補うために着ている背広にいくつものメモを貼り付けていた。80分しか記憶が続かない上、数学のことだけを考えて生きてきた博士とのコミュニケーションは杏子にとって困難の連続。それでも少しずつ博士との接し方を学んでいく杏子。同時に彼女は、博士の語る数や数式に秘められた神秘的な美しさに魅了されていく。~All Cinema~

2006年。小川洋子さんのベストセラー作品の映画化。難解な数学が優しい愛に満ちたものに見えてきます。深津絵里さんのシングルマザー、とても一生懸命で素敵な女性でした。素直に育っていく息子のルートくんも。寺尾聡演じる天才博士と三人の姿がとても温かな空気を作っているようでした。