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第二次世界大戦の敗戦国であり、戦後はモノづくり大国、貿易立国として
目覚ましい復興を遂げた日本とドイツ。
しかし、戦後70年を経た現在、ドイツはEUのリーダーとして存在感を増す一方、
日本はアベノミクスもパッとせず、財政赤字に悩み、近隣諸国との軋轢も増えるばかり。
こうした違いはなぜ生まれたのか、について両国の歩みを元ジャーナリストが振り返る一冊。

やはり日本との違いを一番顕著に感じたのは戦後のドイツの歴史に対する姿勢。
ドイツは自国の歴史としっかり向き合っています。
歴史教育についてもナチスが権力を掌握した過程や原因、
戦争の歴史を詳しく取り上げ、ドイツが加害者だった事実を若者に教えているそうです。
周辺国に対してはドイツは永久に責任を認めるという姿勢をとることで彼らと新たな
関係を構築しています。

東日本大震災直後にドイツは原発を全廃するという決定を下しましたが
これは「エネルギー問題と社会的倫理」関係を重視する方向へ政策の舵を取ったから。

なぜドイツがこれほど「倫理」を重視するかというとこれはやはり1933年のナチス台頭から
敗戦までの12年間に倫理を踏みにじり大きな過ちを犯したことへの反省があるからだと。
欧州は中東からの移民問題で揺れていますがそれでもメルケル首相が
フランスや英国とは違うスタンスを取り続けることには自国の歴史への強い反省からくる
ポリシーがあるからなのかと思います。

それからもうひとつ。ドイツは最近、財政収支の健全化を達成しました。
46年間赤字国債を発行してきた歴史があるのに新規国債の発行がゼロになったという。
これはメルケルの前任であったシュレーダー時代からの厳しい健全化政策を
実行してきた結果だそうですが、国民からの支持を失うことを覚悟で改革に挑んだ
シュレーダー元首相の偉業だったのですね。
ついつい日本のあまりにもとほほな財政状況と比べてしまいました。
そして原発再稼働に踏み切る日本。日本にとってドイツのいう社会的倫理とは・・・?
手放しでドイツを賛美する本とも言えないことはないようですが
いろいろ勉強になりました。

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京都の人は応仁の乱のことを「先の戦争」と呼ぶという都市伝説がありますね。
この本を読んだら、そういう表現も大袈裟ではないかもと感じてしまうほどに京都の歴史は長く深い。
ふと迷いこんだ京都の路地にもその足元には地層のような長い歴史が存在するのかと。
かつては権謀術数が渦巻き、陥れる人、陥れられる人がいて。
源氏物語に描かれるような愛欲と哀しみがあった千年の都。
こうした昔の人々の想いが染みついた京都の古いお寺や神社。
これまで以上に京都のことを深く感じられそうな一冊でした。

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本を代表する名経営者のお一人である稲盛氏。
これまでにも著書を何冊か読ませてもらっています。
この世を生きる意味とは「魂を磨いていくこと」と。
精神を修養し、この世にやってきた時よりも
高い次元の魂をもってこの世を去っていくこと。
利他の精神についても感銘を受けました。
寂聴さんとの対談も、人生の先達からのメッセージを少しでも
自分の中に学びとして取り入れておきたいと思いました。

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シェアハウスの本・・・コンビニで買ってみました。
話にエロネタが多すぎて・・・当惑(;´・ω・)。
私自身、海外に住んでいた時、「今、ここでしかできない経験のひとつ」と思って
いろんな国の人たちとシェア生活をしました。
オーストラリア人、イギリス人、韓国人、フィリピン人、日本人・・・
何人の人たちと共に暮らしたことか。
日本にいた時は学生時代もワンルームマンション暮らしだったので
シェア生活は合宿所生活みたいで楽しく、
お蔭で寂しい思いをすることもありませんでした。
自分と異なる人を理解し、受け入れる訓練にもなりました。
途中からは面倒くさくなってきて一人で2LDKの部屋に住んでいましたが。
現地では男女でアパートや家をシェアするというのも普通にあるのですが
ここで書かれているようなトラブルは
どうも大袈裟に思えて実際にはごくごく稀のような気も。
でも日本人の場合はこういうふうになりがちなのか。
こんな本を先に読んでいたらとても怖くて他人と一緒に住めないと思いました。

今月読んだほかの本は以下の通り。12冊でした。

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