
パリ在住20年の著者が出会った55人のフランス人マダムを紹介した一冊。
へ~と思うことも多々、共感することも多々ある内容でした。
他人の思惑に振り回されることなく自分がどうしたいかを最優先して生きる。
自分で「責任」を引き受け、覚悟を決めて生きることで得られる「自由」の価値はとても大きなものだと思います。
しっかりと自分の足で立つ成熟した女性の姿は素敵だと思いました。
自分は80歳で恋ができるかなあ。それは難しいかもしれません。(笑笑)

著者はクリントン政権での労働長官、オバマ大統領のアドバイザーも務めた人物。
ちょうど一年前、同じ著者の「暴走する資本主義」という本をとても興味深く読みました。
それに続く著作ということで読んでみました。
この30年間、経済成長による利益のほぼ全てはトップ層にわたってしまっているという現実。
企業が利益をあげても労働者に還元されることはなくなったので賃金は伸び悩み、
非正規雇用が増え、格差がますます広がる・・・
100年前の世の中に時代が逆行する現象が起きているのです。
こんな中で我々一般市民は流されるだけでなく、ただ怒るだけでもなく、
あらゆることに目配りし、積極的に市民権を行使するべきであると書いています。
民主主義とは投票するだけではない、投票日の翌日こそが本当の始まりであり、
暴走する資本主義を抑制するためにいまこそ民主主義を機能させる時であると。
日本の社会が10~20年というスパンをおいて米国のあとをおいかけていることを考えると
今、米国で起こっていることは近い将来の日本の姿。米国の良心ともいえる著者の言葉を
胸に刻みたいです。

「どう生きるか」とは「どう仕事をするか」と等しいとはいえなくても重なる部分はあまりにも大きい。
仕事に向き合う姿勢について改めて考えるきっかけになりました。
この一年で林先生の講演会や著作に触れ、仕事を選ぶ時の考え方として
「自分が好きなことより、やれること」を、という意見はためになった気がしています。
今回なるほど、と思ったのは
「人は自分がわかってほしいと思うようにわかってくれる人」
そう思った時に相手の言うことを聞こうと思うそうです。
「この人は自分のことをよくわかってくれる」というのは
更に掘り下げてみると、
「自分はこうわかってほしいんだ」、ということ。(^-^;
人にはそういうところがありますね。
もうひとつ面白いなと思ったのは林先生はギャンブルが大好きだそうですが
それは勝ちたいというよりも、
「見えない流れの見方や勝負勘を養う練習になる」からとのこと。
「自分が絶対に勝てない戦いの構造を知るための訓練」と考えてみえるのだとか。
確かに仕事だけではなくて物事には「見えない流れ」というのが存在すると思います。
あるきっかけで潮目が変わる、という瞬間もあります。
私はギャンブルについては「手を出すものではない」と思っていましたが
こんな考え方もあるのだなとちょっと見方が変わりました。
今月読んだ本は3冊のみでした。(T.T)
生活が落ち着かないと「本を読む時間があったら〇〇しなくては」と思ってしまいがちで
なかなかゆっくり読書できない一か月でした。