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桑名市博物館で開催されている「村正」展を観に行ってきました。
「村正」は桑名の鍛冶職人の名前、その作による日本刀もそう呼ばれます。
全国から集めた20振りの村正、後継の「千子派」の刀剣などが展示されていて
見応えある企画展でした。

数ある日本刀の中で、「村正」は徳川家康の父や家康自身に怪我を負わせ、
また祖父、息子の命を奪った刀が村正であったことなどから
徳川家にとっては呪われた刀といわれるようになり、
家康は村正を避けるようになりました。
外様大名もあらぬ疑いをかけられないように
村正を持たないようになったそうです。

でも実は家康も駿府に村正を所蔵していたらしく。
その家康所蔵の村正も刀も展示されていました。
村正は切れ味も鋭かったそうですから、捨てるには惜しいと思われていたのでしょうか。
実際、展示されていた刀の中にも刀剣の下のほうに彫ってある「村正」という文字が
書き換えられているものもありました。

時代が下って、幕末になると討幕の志士らは村正を好んで持っていたようです。
幕末に戊辰戦争で新政府軍を率いた有栖川宮熾仁親王が所有していたのも村正でした。
その刀も展示されていました。
また西郷隆盛が所有していたのも村正だったとか。
徳川家と村正、深い因縁を感じさせますね。

入り口に展示されていた刀。銘はありません。
これのみ写真撮影が可能でした。

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もともとは人の命を奪う道具として作られていたものですが
それを考えずに見つめていると、これがとても美しいものに見えるのですね。
武器なのですが、芸術の域にまで高められているのが日本刀なのだと思います。
なかなかこんな例は他国の武器には見られないのではないかなと感じました。(^-^;


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