去年は4本しか映画を観ませんでした。
今年はもうちょっと時間をやりくりして良い映画を
一本でも多く観ようと思います。
それでせっかく観賞した作品については簡単に感想文を
ここに残しておこうと思います。
今月観た映画は6本。
2月はまだ終わってませんが今月はもう映画館に行く時間はないので。
がんばっぺ フラガール!フクシマに生きる。彼女たちのいま
監督:小林正樹、出演:スパリゾートハワイアンズ・ダンシングチーム
福島県いわき市のスパリゾートハワイアンズは
炭鉱閉鎖のあとの街おこしとして創設された大型レジャー施設です。
この作品は震災を経て施設再開までの彼女たちの姿を追ったドキュメンタリー。
映像として観ると、やはりあの震災と原発事故の被害がどれほど甚大で多くの人々の
生活を変えてしまったのか、胸が痛む想いです。
被災地から遠く離れたところにいる自分が映像を観ていても
涙が出てきそうになるのに彼女たちは笑顔でそれを乗り越えようとしています。
東北、特に福島はこれまで首都圏への電力、食糧の供給地としての
役割を果たしてきました。歴史の中でも東北の人々が置かれてきた境遇は
実に不遇であったし、そこへ今回はこれほどの天災と人災。
なぜ神様は東北の人々をここまで試すようなことをするのだろうと思っていましたが
東北の人々の芯の強さはそれゆえなのでしょうか。
彼女たちの姿に感銘を受けた作品でした。
ALWAYS 三丁目の夕日 '64
監督:山崎貴、出演:吉岡秀隆、小雪、堤真一、薬師丸ひろこ
今回は昭和39年、東京オリンピックを控えた東京が舞台。
経済が右肩上がりで、都会にも人情が残っていた時代です。
カラーテレビを買った家に近所の人たちがテレビを観に集まって
盛り上がったり、おせっかいなくらい周りの世話を焼く人がいたり。
現代より生活は不便だったでしょうけれども
「幸せですか」と尋ねられたら「幸せです」と答える人は
ずっと多かったのかもなと思いました。
ハッピーエンドで、楽しくて、安心して観ていられるお話でした。
CGでの映像ですが、映像の中の東京タワーは今よりももっと
存在感があるようでした。
麒麟の翼
監督:土井裕康、出演者:阿部寛、新垣結衣、中井貴一、黒木メイサ
東野圭吾のミステリー小説「加賀恭一郎シリーズ」の映画化です。
東野圭吾さんの作品は多くが映画化されていますね。
全く前知識なしで観ましたがとても良い作品でした。
たった一度、真実から逃げたがために、取り返しのつかない
事件を招いてしまった・・という話です。
不況での派遣切り、効率のために安全ルールを無視する工場現場とか
格差社会など今の時代が浮き彫りにされているようです。
こんな世の中でも正直に誠実に生きることの大切さを想いました。
東京オアシス
監督:松本佳奈、出演:小林聡美、加瀬亮、原田知世、もたいまさこ
「かもめ食堂」から続くキャストでの作品です。
今回もゆったりと、淡々と続く独特な雰囲気の作品でした。
正直なところ、「えっ、もう終わり?」と思ってしまうような
相変わらずオチのない話で、
1時間半近くあったのに30分くらいしか観てないような気がしました。
不思議なことにそれだけ気を逸らさせないものがあったようです。
はやぶさ 遥かなる帰還
監督:瀧本智行、出演:渡辺謙、江口洋介、夏川結衣、山崎努
一昨年の6月に7年間の60億キロの宇宙の旅を終えて
地球に帰還した「はやぶさ」のことはまだ記憶に新しく、
大変感動的なニュースでした。
このプロジェクトについてのストーリーで、とてもいい映画だったと思います。
資金難、幾多のトラブルを乗り越え、はやぶさのプロジェクトを完遂させた
人々の熱い思いがじんじんと伝わってきました。
美しく心に沁みるBGMは辻井伸之さんのピアノで
その音楽の中に映る「はやぶさ」の姿は「2001年宇宙の旅」を
思い出させる壮大なものでした。
これは絶対映画館の大きなスクリーンで観たほうがいいと思います。
日本の高い技術力を支えているのは大手の企業だけではありません。
無数の中小企業が大手企業を頂点としたピラミッドの裾野に存在しています。
その裾野の工場がいまや不況で経営を諦めざるを得ない状況にあります。
世界トップクラスともいえる日本の素晴らしい技術を支える基盤が
経済、お金の事情で崩れつつある現状は作品の中にも描かれていますが、
見過ごしてはいけないことではないかと思います。
フェア・ゲーム
監督:ダフ・リーマン、出演:ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ
イラクに大量破壊兵器は存在しなかったことを明らかにした
元CIAエージェントの女性が主人公の実話「プライム事件」の映画化。
真実を曲げてでも戦争に持ち込もうとする当時の米政府。
権力の強大さ、その恐ろしさを感じました。
必ずしも順風満帆ではなかったけれども
真実を貫きとおすために国を相手に戦う夫婦の姿が描かれています。
実話であっただけに大変迫力があり見応えのある作品でした。