
西遊記で日本でもよく知られている三蔵法師、彼は仏の力で世の中に平和をもたらそうと、17年もかけて中国からインド(天竺)へ旅をし、経典を持ちかえりました。
その求法に捧げた生涯を描いた国宝絵巻は全長なんと190メートルもあるそうですが、今回はその全12巻が今回展示されていました。全巻の同時公開は初めてのことだそうです。
展示は前期と後期に分けられており、私たちが行っ日は、後期展示になっていました。三蔵法師の旅は中国の北方を反時計周りに行くルートでした。今のウイグル自治区とかアフガニスタンのあたりなども通過していたみたいです。
途中で雪山で遭難しそうになったり、悪人に襲われたり、
峻厳な山道を越えねばならなかったり・・・
一緒についていけなくなって脱落していった人もいて、
当時の3万キロの旅は今の感覚では想像できないくらい
壮絶な厳しいものだったことが絵巻のそれぞれの場面を通して伝わってきます。
下の写真はウエブサイトからお借りしました。
玄奘三蔵が天竺行きを決意し須弥山に登る夢を見た場面です。

この絵巻は鎌倉時代に宮廷絵師であった高階隆兼の作。
上質の絵具が使われているらしく、また保存状態も良いことから
実物の絵は本当に色鮮やかでした。
特に、青色や緑色、朱色など何百年の年月を感じさせない美しい色です。
今回はイヤホンガイドも借りてそれを聞きながら回ったので、内容も理解しやすく
助かりました^^

これもウエブサイトからお借りした写真で
奈良朝写経の名品である国宝「大般若経(魚養経)」。
玄奘がインドからもたらしサンスクリット語から漢訳したものが
奈良時代に書写されており、387巻が全て展示されていました。
これだけの巻物を目の前にするとやっぱりこちらも迫力があります。
他にも後に庶民に親しまれるようになった西遊記の展示もあって
見応えたっぷりでした。

特別展を見終わってから、次は仏像館へ。
こちらでは仏像の名品、中国古代青銅器の展示がありました。
三蔵法師を見終わった頃には既に5時を過ぎていましたが、この日は7時頃まで開館時間が延長されていたため、こちらも観に行くことができました。
奈良国立博物館は数年前に正倉院展を見に来た時以来ですが、館内をゆっくり歩いてみると、やっぱりとても広いです。展示品は基本的に撮影禁止でしたが、一部許可されているものもありました。これ!というのはたいてい、撮影禁止。そういうわけでごく一部ですが、写真を撮れたものだけ記念にこの記事にも載せておきます~
重要文化財の多聞天立像

国宝薬師如来像

獅子

青銅器の展示