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「世に棲む日々」全4巻 司馬遼太郎

かなり前に買って途中まで読んで放ったらかしにしてあったので
この機会に最後まで読みました。
前半2巻は吉田松陰、後半2巻は高杉晋作のことが書いてあります。
ひたすら国のことを想い私心なく生きる松陰と
動けば雷電の如く発すれば風雨の如しと言われた高杉晋作、
こういう時代にはこんな魅力的な人が登場してくるのですね。
この本を読んでいった中でメモしておいた箇所がありました。

「革命の初動期は詩人的な予言者が現れ偏癖の言動を取って世から追い詰められ
必ず非業に死ぬ。松陰がそれに当たるだろう。

革命の中期には卓抜な行動家が現れ、奇策縦横の行動をもって雷電風雨のような
行動を取る。高杉晋作、坂本竜馬らがそれに相当し、この危険な事業家も多くは死ぬ。

それらの果実を採って先駆者の理想を容赦なく捨て、処理可能なかたちで革命の世を
作り大いに栄達するのが革命家たちの仕事である。伊藤博文がそれに当たる。

薩摩藩では第一期が島津斉彬、二期が西郷隆盛だったが彼は死なずに
維新を迎えた。それだけに「理想」が多分にありすぎ三期の処理家たちに交わって
政権を作る仕事ができず十年後に反乱し幕末に死ぬべき死をやっと遂げた。」

なるほど、こうやって言われると、その通り。。。
それぞれの人物像と彼らが歴史の中で果たした役割を考えてみると
人が歴史を作ったのか、あるいは時が人物を作ったのか・・
いろいろ考えてしまいます。

そういえば高杉晋作が京都で逗留していた宿が今でも祇園の一角にとても
きれいなかたちで残っています。
京都にはこんなスポットがあちこちにあるので面白いです。