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現在、奈良の国立博物館で
正倉院展が開催されています。
3連休真ん中の昨日、行ってきました。

驚いたのが人の多さ。
もっと驚いたのが展示品全ての
保存状態の良さ!
これ、本当に素晴らしかったです。

随分行列を作って並びました。
あの行列は去年の愛知万博以来でした。
館内に入っても人、人、人で人を掻き分けて
割り込まないとガラスケースの中の
展示品が見れないほどでした。

正倉院宝物の始まりは756年に聖武天皇が
崩御され、その49日にお后の光明皇后が
天皇御遺愛の品々を東大寺大仏に献納したことに
よるものだそうで、
実に1250年の年月を経ているのです。

今まで戦国、江戸、明治時代の展示は
各地で見てきましたが、
武具や馬具なんて、遥か後年の
もののほうがボロボロ、ヨレヨレに
思えました。

馬に乗るときの鞍だって、本当に1000年以上前?って
感じでしたし、矢や矢を入れて背中に背負う入れ物も
もし「最近作られた」と言われても
信じてしまいそうなほど漆がきれいに
塗られていて形も全く破損していませんでした。

文書も展示されていました。
正直なところ、読め、と言われたら
キツかったと思いますが、
紙も殆ど黄ばんでいないし、
丁寧に筆書きされていました。

もう一つ印象的だったのは
現存最古の文書の一つである
戸籍です。
豊前国中津郡(今の大分県中津市?)のものでしたが
ちゃんと戸主と妻の名前と子供の名前が
書いてあるんです。
年貢を集めるために6年ごとに調査が
実施されていたものですが、
これって今でいう国勢調査みたいなものでしょうか。
国勢調査も5年おきにやってますから。

日本はシルクロードの終着地と言われるのも
頷けるようなガラスの容器や銅製の水差しなど
ペルシャ方面のものかと思われる
異国の雰囲気が濃厚な品々もありました。

1000年以上の時を経ても、この素晴らしい状態を
保っていられたのは正倉院の造りが高床式で
湿気や小動物の侵入から免れていたことと
更に建物の中でもきちんと箱に詰められて
いたからのようです。

それにしても江戸時代よりも
各地の武将達がしのぎを削っていた
戦国時代よりも、
「いざ鎌倉!」って武士達が叫んでいた
時代よりも、
お姫様が京の御殿で十二単を着ていた時代よりも
もっと前からこれらが存在していた
ということを想うとやっぱり
すごいなーと思いました。

エジプトとか行ったらもっと古いモノも
展示されているでしょうけど
日本の歴史がこういう形で
残されているのは本当に
有り難いことだと思います。
戦争の空襲で焼失してたら
日本の過去の文化も消されてたかも
しれないものね。

正倉院展は毎年やってますが、
毎年同じものを展示するわけではなくて
今度同じものが展示されるのは10年後だそう。
ということはまた来年行ったら別の宝物が
見れるということですね。

嫌になるくらいの人の多さでしたが
それでも行ってきて良かったです。
来年は平日に行こうと思います(^^ゞ