ベルヴェデーレ宮殿の展示は20世紀に入ってからの
オーストリアの歴史と絵画を併せて展示するという
面白い試みがされていました。
オーストリアの歴史と絵画を併せて展示するという
面白い試みがされていました。
半日くらいかけてじっくり観て回りました。
でもあの展示を見ていると、少し複雑な気分になってくるのです。
人類は20世紀になって豊かになったと単に錯覚しているだけなのじゃないか、
そんなふうに思わずにはいられないという。
でもあの展示を見ていると、少し複雑な気分になってくるのです。
人類は20世紀になって豊かになったと単に錯覚しているだけなのじゃないか、
そんなふうに思わずにはいられないという。
オーストリアの19世紀後半からの絵は世紀末芸術と呼ばれていて、
クリムトやエゴン・シーレ、オスカー・ココシュカなどが有名ですが
作品には不安感を掻き立てられる感じがしました。
クリムトやエゴン・シーレ、オスカー・ココシュカなどが有名ですが
作品には不安感を掻き立てられる感じがしました。
中世絵画のような静謐さ、バロック絵画のような典雅さ、
印象派のような光の明るさ、といったものから、
20世紀は大きく方向転換して暗く、不安定で、破壊的・・こんなイメージの絵が多いのです。
芸術とはその時代の反映でもあるから、
敏感な芸術家達はいち早くその時代の空気をこうした目に見えるものに表現したのでしょう。
印象派のような光の明るさ、といったものから、
20世紀は大きく方向転換して暗く、不安定で、破壊的・・こんなイメージの絵が多いのです。
芸術とはその時代の反映でもあるから、
敏感な芸術家達はいち早くその時代の空気をこうした目に見えるものに表現したのでしょう。
それに重ねた20世紀のオーストリアの歩みはハプスブルク王朝の崩壊に始まり、
第一次世界大戦(これもオーストリア皇太子がサラエボで殺されたことから始まりました)、
ナチの台頭、連合軍による支配、独立回復、冷戦、ソ連の崩壊、自由化・・
と100年の間に本当に多くの激動を通り抜けてきています。
第一次世界大戦(これもオーストリア皇太子がサラエボで殺されたことから始まりました)、
ナチの台頭、連合軍による支配、独立回復、冷戦、ソ連の崩壊、自由化・・
と100年の間に本当に多くの激動を通り抜けてきています。
経済は成長し、物質的な豊かさは獲得されたけれど、
人の心がこの変化、進歩についてこれないのじゃないかと思わせられるような。
自分自身も不思議なことにエゴン・シーレという、非常に一見醜い(?)絵を描く人の
作品の前では長く立ち止まって動けませんでした。
怖いのだけど、惹かれる。
やっぱりその作品には現代に生きる私達が持つ心の内側が
映し出されたものだったからかもしれません。
なんか教科書みたいな書き方になっちゃったけど、
でも本当。確かに将来への不安感ってつきまといますものね。
人の心がこの変化、進歩についてこれないのじゃないかと思わせられるような。
自分自身も不思議なことにエゴン・シーレという、非常に一見醜い(?)絵を描く人の
作品の前では長く立ち止まって動けませんでした。
怖いのだけど、惹かれる。
やっぱりその作品には現代に生きる私達が持つ心の内側が
映し出されたものだったからかもしれません。
なんか教科書みたいな書き方になっちゃったけど、
でも本当。確かに将来への不安感ってつきまといますものね。
ヨーロッパは本当に奥の深いところ・・。
色々な民族が入り乱れ、権力への闘争があり、
その中から素晴らしい芸術や思想が生み出されてきたのでしょう・・。
できればもっと長く滞在して、もっと色々なことを知りたかったなあ・・と思うことしきりです。
写真はヴェルヴェデーレ宮殿の庭園。
色々な民族が入り乱れ、権力への闘争があり、
その中から素晴らしい芸術や思想が生み出されてきたのでしょう・・。
できればもっと長く滞在して、もっと色々なことを知りたかったなあ・・と思うことしきりです。
写真はヴェルヴェデーレ宮殿の庭園。