今回のウィーン旅行で一番印象に残ったのは、
ヴェルヴェデーレ宮殿という今は美術館になっている建物で
開催されていたオーストリア解放(独立)50周年を記念する展示でした。
かなり見ごたえがある展示だったと思います。

リング周辺の喧騒が嫌で、ちょっと離れたところにでも・・と、
たまたま自分がいたその場所からトラム一本でいけたので、訪れた場所でした。

ナチの支配、その後の4つの大国の分割占領時代を耐え抜き、
オーストリアが完全に独立を回復したのが1955年。
数百回にわたる連合国との交渉のあと、
オーストリアがようやく独立を認められた時の写真が大きく掲げてありました。
連合国要人のオーストリア独立を認める署名の入った条約書を
当時の外相が宮殿のバルコニーから、
庭園にぎっしりと詰め掛けたオーストリア国民に
大きく広げて見せている様子を写した写真でした。

普通は政治家の笑顔って「演出」の要素が濃いものなのに
あの写真の外相は本当に嬉しそうで満面の笑顔なんです。
最初はいかめしく威厳を以て、
祖国の独立回復達成を国民に伝えようとしたのだけれど、
余りの嬉しさについ心からの笑みがこぼれてしまったんじゃ・・と、
想像してしまうような表情でした。

私にとってはその写真が何より印象的でした。
またその知らせを喜ぶオーストリア国民の歓声も聞こえてきそうでした。